ソフトバンクG、富士フイルム、ゼンショーなど/本日の注目個別銘柄

2020年3月18日 16:00

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記事提供元:フィスコ


<9984> ソフトバンクG 3246.0 -397.0急落。米シェアオフィス大手のウィーカンパニーについて、既存株主からの株の買い取り計画を見直す可能性と報じられている。買い付けの条件が満たされなければ購入しないことがあり得るとの立場を示したようだ。ウィーカンパニーの再建の行方が不透明になるとの見方から、これまで出資を行ってきた同社への懸念材料にもつながっているようだ。また、前日にはS&Pが格付け見通しをネガティブに変更している。

<4901> 富士フイルム 5238 +700ストップ高。中国政府では、新型コロナウイルスによる肺炎の治療を巡って、同社グループの富士フイルム富山化学が開発したインフルエンザ薬「アビガン」の有効性を、臨床研究で確認したと発表。医療現場の治療に使うよう正式に推薦する方針ともされている。同薬剤は日本でも2月から患者に投与されているが、今回のニュースによって、新型コロナウイルス治療としての投与が世界的に広がるとの期待が高まっている。

<3549> クスリのアオキ 7540 +540急伸。前日に第3四半期の決算を発表、累計営業利益は110.5億円で前年同期比1.6%増となった。上半期決算では同2.8%減益であり、通期予想を下方修正していたことからも、警戒感が先行していたとみられる。第3四半期累計増益転換を受けて、通期予想の125.2億円、前期比11.5%減には上振れ期待も高まる方向へ。粗利益率が改善したほか販管費の低減も進んでいるもよう。

<2678> アスクル 2500 +106大幅続伸。前日に第3四半期決算を発表している。累計営業利益は63.3億円で前年同期比2.6倍と大幅増益、市場予想も5億円程度上回ったとみられる。検索エンジン経由の新規顧客が拡大し、B2B事業が想定を上振れているようだ。また、注目されるLOHACO事業においても、広告宣伝費や固定費の削減により、期待以上の損益改善となっているもよう。

<8227> しまむら 7220 +440大幅続伸。前日に業績予想の下方修正を発表、営業利益は従来予想の259億円から230億円、前期比9.7%減益に減額している。第3四半期決算時に続く下方修正となり、市場予想も下回る形に。ただ、もともと業績計画は楽観的な要素が強く、サプライズが限定的な下方修正を受けて悪材料出尽くし感も台頭する形になっているようだ。足元では粗利益率などは改善しているもようでもある。

<3919> パイプドHD 1016 +13続伸。前日に業績予想の修正を発表している。営業利益は従来予想の12億円から13.8億円に増額、売上は下振れるものの、内部体制の効率化や生産性の向上などで利益率が上昇しているもよう。投資有価証券評価損を特別損失に計上するため、最終利益は従来通りの7億円としている。株価も安値圏にあるなか、本業ベースの一段の上振れをポジティブに捉える動きが先行。

<8737> あかつき本社 274 +41急反発。前日に発表した増配と自社株買いの実施が好感されている。3月末配当金は従来計画の9円から11円に引き上げ、年間配当金は20円で前期比2円の増配となる。また、発行済み株式数の3.2%に当たる100万株、2億円を上限とした自社株買いの実施も発表、取得期間は3月18日から21年2月28日としている。株価下落局面における株主還元策の積極化で、見直しの動きが強まる展開になっているようだ。

<7550> ゼンショーHD 1988 +151急伸。前日に発表した自社株買いの実施発表が買い材料視される。発行済み株式数の0.97%に当たる150万株、20億円を取得上限としており、取得期間は3月18日から4月20日まで。比較的取得期間が短く、短期的な需給インパクトを期待する動きが優勢に。昨年11月から12月にかけて、20億円の自社株買いを実施したばかりであり、機動的に株主還元を実施する姿勢も評価されているようだ。

<4681> リゾートトラ 1017 -70大幅反落。前日に業績予想の下方修正を発表。営業利益は従来予想の160億円から120億円、前期比36.4%減益に下方修正。台風の影響などで第3四半期までも未達基調だったが、1-3月期はより下振れ幅が大きくなった。新型ウイルスの影響によって、2月後半から会員制ホテルのキャンセルが増加しているようだ。下振れは想定線といえ、来期もホテルレストランの見通しが立てにくく、あく抜け感が生じる状況にはならず。

<4997> 日農薬 380 -53急反落。前日に業績予想の下方修正を発表している。営業利益は従来予想の32億円から27億円に下方修正、前年同期比34%減益となる。20年3月期は決算期変更で6カ月決算となるが、第1四半期は前年比で赤字幅が縮小していたため想定外の下方修正に。ブラジル子会社の業績不振が響くもよう。減損計上で最終利益は24億円から4億円にまで下方修正。配当金も7.5円計画から4円に引き下げている。《US》

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