三菱商事、3Qは事業系市況系ともに減益 石油化学分野の赤字に加え金属資源でも市況下落等影響

2020年3月5日 07:50

印刷

記事提供元:ログミーファイナンス

2019年度第3四半期決算

増一行氏:CFOの増です。本日はお忙しいなか、弊社の2019年度第3四半期の決算説明会にお集まりいただき、誠にありがとうございます。

まず最初に私から全体をご説明させていただき、そのあと主計部長の野内より詳細な説明をさせていただきます。

2019年度第3四半期の連結純利益は前年同期に比べ698億円減益の3,733億円となりました。この結果、11月に公表した修正後業績見通し5,200億円に対する進捗率は72パーセントにとどまっております。

事業系は前年同期に比べ233億円の減益となりました。これは、前年同期に計上した千代田化工など一過性損失の反動があったものの、当期には原油デリバティブ取引関連の損失を計上したことに加え、LNG関連事業、自動車関連事業、石油化学事業を中心に、巡航利益が減少したことなどによるものです。

市況系は、443億円の減益となりました。これは、前年同期に計上した一過性損失の反動はあったものの、豪州原料炭事業における市況の低迷や生産コストの増加に加え、一般炭の権益売却に伴い、事業収益が減少したことなどによるものです。以上の結果、前年同期比で689億円の減益となりました。

次に、昨年11月に公表した通期業績見通しに対する進捗についてご説明させていただきます。

事業系は第2四半期に計上済みの原油デリバティブ取引関連の損失の影響や自動車関連事業の業績低調に加えて、資産の入れ替えに伴う利益を第4四半期に見込んでいることなどから、進捗率は71パーセントにとどまりました。

市況系は、鉄鉱石事業やシェールガス事業における価格要因などにより、進捗率は79パーセントとなりました。以上の結果より、第3四半期時点の業績見通しに対する進捗率は72パーセントにとどまりました。

以上を総括しますと、米中貿易摩擦等による世界経済の減速、事業環境の悪化や市況の低迷等の影響を受け、第2四半期に引き続き厳しい決算になりました。

通期業績見通し5,200億円に対する進捗も72パーセントと予断を許さない状況ですが、千代田化工など改善の兆しが見えてきている事業もあり、残り2ヶ月となりますが、社員一丸となって業績見通し達成に取り組む所存です。

以上が全般的な説明となります。続きまして、主計部長の野内より、セグメント別の状況を中心に詳細をご説明します。

セグメント別の状況

野内雄三氏:主計部長の野内です。それでは、私から何点か補足いたします。

セグメント別の第3四半期実績からご説明いたしますので、資料の2ページ目をご覧ください。主要増減にポイントを絞ってご説明いたします。

まず、天然ガスは、前年同期の782億円から130億円減益の652億円となりました。これは、LNG関連事業における持分利益の減少などによるものです。

石油・化学は前年同期の381億円から582億円減益となり、201億円の赤字となりました。シンガポールの原油・石油製品トレーディング会社における原油デリバティブ取引関連の損失に加え、石油化学事業における持分利益の減少などによるものです。

金属資源は、前年同期の1,634億円から471億円減益の1,163億円となりました。これは、前年同期に計上したチリ鉄鉱石事業における減損損失の反動の一方、豪州原料炭事業における市況下落や生産コスト上昇、ならびに豪州一般炭検疫売却による事業収益の減少などによるものです。

産業インフラは、前年同期の271億円の赤字から644億円増益となり、373億円の黒字となりました。前年同期に計上した千代田化工建設関連の一過性損失の反動などによるものです。

三菱自動車工業やアジア自動車事業における持分利益の減少などにより、自動車・モビリティは前年同期の700億円から293億円減益の407億円となりました。

食品産業は、前年同期の50億円から240億円増益の290億円となりました。これは、前年同期に計上した海外食品原料事業における減損損失の反動などによるものです。

キャッシュ・フロー

続いて3ページ目をご覧ください。キャッシュ・フローの状況についてご説明いたします。今期よりIFRSのリースに関する会計基準が改定されたことに伴い、オペレーティングリースのリース負債支払額が営業キャッシュ・フローに含まれなくなり、その分営業収益キャッシュ・フローが従来より膨れてしまうことから、この調整を行っております。

それでは、当期のキャッシュ・フローの状況についてご説明いたします。

棒グラフ右側、2019年度第3四半期のキャッシュ・フローをご覧ください。グレーの営業収益キャッシュ・フローは、5,318億円の収入、オレンジ色の投資キャッシュ・フローは787億円の支出となり、この結果、これらを合計した調整後フリーキャッシュ・フローは、4,531億円の収入となりました。

投資キャッシュ・フローのおもな内訳については、右の表の中段、オレンジ色の部分をご覧ください。支出は千代田化工建設あての優先株の出資や、銅事業、豪州原料炭事業、コンビニ事業及びLNG関連事業での投資などにより、4,120億円となりました。

なお、右下に注記がありますとおり、第2四半期と同様に支出には千代田化工建設子会社化に伴う保有現金の受入額1,342億円のプラスが含まれております。

一方で、収入は豪州一般炭権益の売却や、北米不動産事業における物件の売却、海外電力事業における持分の売却、ならびに上場有価証券の売却などにより、3,333億円となり、投資キャッシュ・フローはネットで787億円の支出となりました。

【参考】市況の状況

4ページ目には、市況の前提条件をまとめた参考情報を記載しておりますので、のちほどご参照ください。私からの説明は以上です。

関連キーワード

関連記事