ベテルギウスの明るさの変化 超新星爆発の予兆か

2020年2月5日 11:33

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オリオン座とベテルギウスの位置。(c) 123rf

オリオン座とベテルギウスの位置。(c) 123rf[写真拡大]

 冬の星座の代表格であるオリオン座が今、夕暮れ後の東の空で雄姿を見せている。この勇者オリオンの右肩に位置する1等星であるベテルギウスは、赤色巨星としても非常に有名なオレンジ色に輝く星である。

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 このベテルギウスは、地球からおよそ640光年の位置にあり、質量は太陽の20倍、直径は太陽の約1,000倍もあり、太陽の位置にベテルギウスを置いたとすると、その大きさは木星の軌道付近にまで達するという、桁違いのスケールの星である。

 天文マニアの間では、このベテルギウスがそろそろ超新星爆発を起こすのではないかという話題が、日に日に高まってきていたが、ここ数日各種メディアでこの星の明るさが最近著しく暗くなってきていることが報じられ、ますますホットな話題となっている。

 1月30日のNHKの報道によれば、現在のベテルギウスは過去50年間で最も暗く、通常時の3分の1程度の明るさになっており、普段は0.5等星の星なのに現在は1.6等星の明るさでしかないと言う。ただし、この報道では専門家の意見として、これは超新星爆発の前兆ではないとの見解も示されている。

 2月3日の英国エクスプレス誌の報道では、ベテルギウスは過去数カ月間の間に急速に暗くなりはじめ、夜空の星々の明るさの順位で言えば、トップ10の座にあったものが、現在は24位にまで後退しているとのことである。また同誌によれば、この減光は超新星爆発の予兆となる可能性を示唆するものであるとされ、今後数年後もしくは10万年後までには超新星爆発が現実のものになると主張している。

 もしもこの超新星爆発が現実のものになった場合、観測技術が非常に発達した現代において、誰もが経験しえなかった大事件になることだろう。というのもベテルギウスの明るさが一時的に満月の明るさを超え、昼間でも非常に明るく輝く姿が見えるのだ。また夜にあっては、私たちの姿の影を地面に映し出せるほどの明るさになる。

 ただし、エクスプレス誌の記事においても、専門家の意見として今すぐに超新星爆発が起きるものとは考えていないという見解で締めくくられている。だが、本当のところは誰にもわからない。

 もしも超新星爆発が起きたとしても、地球にやってくる衝撃波の影響はわずかで、人類存続の危機が訪れるようなことはないと言う。なのであれば、この大事件を我々一般人は大いに期待すべきではないだろうか。(記事:cedar3・記事一覧を見る

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