グーグル、スマートウォッチのフィットビット買収 ウェアラブル分野に本腰

2019年11月5日 16:09

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 Google(グーグル)は11月1日(米国時間)、ウェアラブルデバイス大手であるFitbit(フィットビット)を買収すると発表した。買収総額は約21億ドル(約2,269億円)。買収完了時期は2020年になる見込みだ。

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 ウェアラブルデバイスとは、装着または着用できるコンピュータを指す。腕時計、眼鏡、指輪、靴、ペンダントなどの形をしており、身につけたまま使用できるのが大きな特徴だ。腕時計型のウェアラブルデバイスはスマートウォッチとも呼ばれ、注目を集めている。

 フィットビットは07年に創業した米国企業。センサーやワイヤレス技術を駆使したスマートウォッチ「Versa」シリーズなどのウェアラブルデバイスを手掛けている。

 グーグルもスマートウォッチ事業に積極的な姿勢だ。スマートウォッチ用のOS「Wear OS」やヘルスケアアプリ「Google Fit」などを提供。今年1月にはFossil Group(フォッシル・グループ)のスマートウォッチ関連の知的財産や関連技術を、4,000万ドル(約43億8,580万円)で買収している。

 グーグルとフィットビットは、18年4月に「Cloud Healthcare API」の採用などで提携を発表した経緯がある。同APIは、同年3月にグーグルが発表したもの。これをフィットビットが採用し、ウェアラブルデバイスのデータと電子カルテを連携する取り組みが明らかになっていた。

 現在のフィットビットユーザーにとっては、買収が個人情報の取り扱いに影響を与えないか気になるところだろう。グーグルによると、従来フィットビットが徹底してきたセキュリティやプライバシー重視のスタンスは変わらないとのこと。データも引き続きユーザーの管理下にあるという。グーグルの広告システムで健康データを使用したり、他社に個人情報の販売したりといったこともないようだ。

 グーグルは、パートナー企業と共同でスマートウォッチを手掛けているが、自社製はまだリリースしておらず、動向が注目される。グーグルが誇る技術とフィットビットの豊富な経験が合わされば、今までにないイノベーションが巻き起こりそうだ。

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