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時速283キロの新幹線車内で5G通信に成功 高速鉄道で世界初 JR東海など
走行中の新幹線での5G送信の実験風景。写真右側が実験用基地局(画像:シャープの発表資料より)[写真拡大]
JR東海(名古屋市中村区)とNTTドコモ(東京都千代田区)は9月30日、時速283キロで走行する新幹線車内において、第5世代移動通信方式(5G)を使った無線通信実験に成功したと発表した。時速200キロ以上で走行する高速鉄道車内と地上の間で5G通信に成功するのは、世界で初めてだという。
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JR東海などによると、実験を行ったのは静岡県富士市内の三島駅から新富士駅間。8月24日から9月7日までN700S車両を使って行った。新幹線の線路沿いに仮設した実験用5G基地局と、車内に搭載した移動端末の間で通信がスムーズにできるかを確認した。
高速で移動する端末に対し、電波を送受信するには、端末に電波を集中するために電波をビーム上にするビームフォーミング機能や、移動する端末を追いかけて電波の方向を変えていくビーム追従機能、端末の移動に合わせて基地局を順次切り替えていく連続ハンドオーバーといった技術が必要になる。
実験では、データや映像を互いに送受信できるかを確認。映像の伝送実験では、あらかじめ収録した8K映像コンテンツを5G無線で基地局から新幹線に向けて送信し、端末を通して、実験に参加したシャープ(堺市堺区)製の液晶テレビに表示させた。また、車内に設置した4Kカメラで車窓の風景を撮影し、それを端末から基地局へライブ中継した。
いずれの実験も途中で電波が途切れることなくつながり続け、無事に成功。データの伝送実験では、高速列車としては世界で初めて最大データ伝送速度1.0Gbps以上を記録した。
JR東海などによると、時速200キロ以上の列車の中の端末と基地局の間で連続ハンドオーバーを成功させたことや、8K映像の高速ダウンロード配信、4K映像のライブ中継の成功も世界初だという。
JR東海ら3社は今回の実験について、「将来の高速鉄道車内での5G通信サービスの提供に向け、重要なデータを得られた」とし、今後、乗客向けに高精細画像を配信するなど新たなサービスの展開が期待できるとしている。
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