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キャッシュレス決済事業者の中では、特にスマホ決済業者の動きが際立っている。
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PayPayは10月~11月の2カ月間、5%還元店舗の利用に対して、PayPayの負担分5%を上積みした合計10%のポイント還元キャンペーンを行う。PayPayがサービスを開始して1周年に当たる10月5日の土曜日には、1日限定ながら1000円を上限にて20%の還元を行う。5000円を使うと1000円のポイント還元になる計算だ。それとは別に、期間中50回に1回の確率で、買物金額の全額(10万円が上限となる)が還元される。
楽天はポイント還元店舗としての登録が終わっていない店舗での利用に対しても、5%の還元を楽天の負担で行う。楽天の負担上限は3000円分のため、ちょうど6万円の利用機会があれば満額のポイント還元が受けられる。キャンペーンは12月2日まで実施される。
メルカリは消費増税前の18日から30日まで、メルペイを初めて利用する人を対象に、3000円を上限として支払額の半額をポイント還元するキャンペーンを始めた。メルペイが利用可能な店舗ならどこでも支払いの翌月に還元される。
NTTドコモのd払いは増税前の9月14日から、増税実施後の10月14日まで20%のポイント還元を始めた。1回当たりのポイント還元の上限は1000ポイントで、期間中の合計還元ポイントの上限は3000ポイントだ。
以上は、リアル店舗でのポイント還元策だが、アマゾンや楽天のEC店舗でも中小企業の出品商品は5%の還元対象となる。それぞれのサイトには膨大な量の商品が出品されているため、利用者が誤認しないような分かり易い表示が不可欠だ。
残念なことは、QRコード決済を「JPQR」という統一規格に集約するという経済産業省の目論見が、大手スマホ決済事業者の離反により実現困難なことだ。
QRコード決済はスマホ画面を店側に読み取らせるか、利用者が店側の掲示したQRコードを読み取る必要がある。店側が掲示する方法の場合はほとんどコストが要らないためキャッシュレス決済の本命と見られていた。ところが、ソフトバンクグループのPayPayとLINE系のLINEペイは、店舗が掲示するQRコードの統一規格へ参加しない流れになった。
海外の決済アプリでは日本のJPQRを読み取れないことが、ネックになったようだ。PayPayは中国アリババ集団の「アリペイ」と、LINEペイも中国ネットサービス大手のテンセントの「ウィーチャットペイ」を自社加盟店のQRコードで利用できるが、統一規格とは初めから方式が違う。
スピード感も違う。PayPayは13日時点で加盟店の申込数で140万カ所、利用者数が1250万人であることを発表している。PayPayもLINEペイも、殴り合いのようなコスト垂れ流し合戦で進めている勢いを、止めたくはないだろう。改めて1から加盟店回りを始めて統一規格と調整することは、考えたくもない”悪夢”に違いない。
かくして日本のQRコード決済は、店側が読み取るか、利用者が読み取るか、その都度確認が必要な煩雑さを抱え込むことになりそうだ。(記事:矢牧滋夫・記事一覧を見る)
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