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無借金企業、売上1位は日本郵便 都道府県別割合1位は高知 東京商工リサーチ調査
東京商工リサーチが全国8万3,978社の無借金企業について調査し、医療機関を中心にサービス業や金融・保険業、情報通信業など第3次産業で無借金企業が多い傾向にあることが分かった。
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■全国の無借金企業は8万3,978社
11日、東京商工リサーチが全国の無借金企業8万3,978社についての調査結果を発表した。業種別で無借金企業の数が最も多かったのはサービス業他の3万8,537社で、無借金企業全体の45.89%を占めている。ついで、建設業が2万7,554社、卸売業が5,312社、製造業が4,135社、情報通信業が2,300社、小売業が1,896社、不動産業が1,747社、運輸業が1,372社、農・林・漁・鉱業が573社、金融保険業が552社となっている。
■医療機関が多い理由
業種全体における無借金企業の割合でもサービス業他が54.87%と一番高かった。「医療機関などが比率を押し上げ」ており、細分化した業種別においても一般診療所が1万9,985社(全体の23.8%)で無借金経営となっている。「安定した収益構造を背景に、設備の大半をリース導入し多額の設備投資に借入金を必要としないことが多い」という。
ついで、金融・保険業が37.7%、情報通信業が29.2%で、全体(約34万社)における無借金企業割合の24.5%を上回ったのは、この3業種のみ。
以下は、卸売業が18.3%、農・林・漁・鉱業が17.7%、運輸業が17.2%、建設業が16.6%、小売業が14.9%、不動産業が13.9%、製造業が13.1%となっている。無借金企業の割合が少ない造業は「機械装置など設備投資の資金需要が旺盛」、不動産業は「土地仕入などの事業資金を借入で手当て」と分析している。
■無借金企業売上高トップは日本郵便
売上高別では、1億円未満が3万3,420社で全体の40.5%、1億円以上5億円未満が3万1,214社で同37.8%となり、合わせて8割近くとなる。その一方で100億円以上の企業も2,356社あった。
売上高トップは日本郵便で3兆1,196億4,600万円。ついで、日本中央競馬会(2兆8352億600万円)、三菱食品(2兆5,438億6,600万円)、三菱自動車工業(1兆9,994億2,800万円)、スズケン(1兆9,197億7,300万円)、日本アクセス(1兆7,963億3,400万円)、東京エレクトロン(1兆1,584億8,000万円)、任天堂(1兆25億800万円)、ユニクロ(8,887億1,100万円)、大東建託パートナーズ(8,859億2,700万円)がトップ10となっている。
■中部の割合が低いのは「名古屋金利」要因か
地域別で最も無借金企業の割合が高かったのは九州の28.0%、ついで四国が28.0%、中国が25.9%、近畿が25.4%と僅差ながらも関西が高めだった。以下は、北海道が24.8%、北陸が24.2%、関東が23.4%、東北が22.7%、中部が最も低く21.1%。
愛知県(無借金企業の割合:23.6%、以下同じ)、岐阜県(22.4%)、三重県(20.0%)など中部地域で無借金企業の割合が低くなった点については、「経営環境の変化や自動車産業など、設備投資を要する製造業が集積」している点とともに、他地域よりも低めの「名古屋金利」が借入を促している可能性を指摘している。
■無借金企業割合トップは高知県
都道府県別で無借金企業の割合が最も高かったのは高知県の31.6%で、「資金需要が旺盛な製造業の比率が低く」「建設業も公共工事が中心」「自己資金で回せる業者が多い」ことなどが要因。ついで、佐賀県が31.2%、沖縄県が30.7%、島根県が3.06%、徳島県が30.4%などとなっている。
逆に割合が最も低かったのは長野県の17.1%で、赤字企業が多いことに加えて「サービス業も宿泊業やスキー場など装置産業が多く、資金需要が旺盛な点」を要因としている。ついで山梨県が17.2%、茨城県が17.8%、静岡県が19.2%、群馬県が19.5%となっている。(記事:県田勢・記事一覧を見る)
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