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「類人猿診断」活用で、強固なチームを創る
サラリーマンでもフリーランサーでも、他者と上手く連携しなければ成果をあげることは困難です。社内での他部署連携、上司部下での部署内連携、社外パートナーやクライアントとの相互理解などなど、「チームビルディング」「パートナーシップ」がスムーズに回せれば、業務効率も質の高い成果物も成し遂げることが可能となります。
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知識として得るだけでなく日々のコミュニケーションで実践できる「類人猿診断」という技法があります。この技法を活用し、「自己理解」「他者理解」について把握し、チームビルディングに生かせるように、説明します。
■「類人猿診断」が生まれた経緯
みなさんは「類人猿診断」を聞いたことはありますでしょうか?
「類人猿診断」とは、精神科医「名越康文さん」の監修のもと、開発された性格分類・コミュニケーション技法で、広島にあるスーパーマーケット「エブリイグループ」の課題が発端でした。
スーパーマーケットの現場は職人気質の方が多く、スタッフ間のコミュニケーションが上手く回らず雰囲気もあまり良くなったそうです。しかし、この「類人猿診断」を活用してから会社のチームワークが飛躍的に向上し、売上も良くなって、1平米あたりの売上高が「全国のスーパーで1位」となりました。
■「類人猿診断」とは
5つの設問に答えるだけで、自分が「4つの類人猿」のうちのどれかが判明します。勝ち負け重視の「チンパンジー」、平和主義の「ゴリラ」、職人気質の「オラウータン」、感情豊かな「ボノボ」。分類された類人猿タイプによって、言われて嬉しいことと嫌なこと、大切にしている価値観は異なります。
例えば、褒め方について。「凄い!」「さすが!」「ありがとう」と言うと、誰にでも響くかと言えば、実はそうではありません。タイプにより嬉しい褒め方、ポイントがあり、それを間違うと逆に気まずくなったりします。
一番わかりやすいのはチンパンジー。単純で目立ちたがり、人にフォーカスして「さすが、福島さん!」って言われると喜びます。根拠とか細かく述べなくても大丈夫です。
一方で前には出たがらない「ゴリラ」さんは、自分自身にフォーカスされるのは恥ずかしいけれど、「福島さんのおかげで、チームが上手くまとまったよ、ありがとう」と「貢献感」にフォーカスして褒めると喜びます。同様に、オラウータンタイプも、自分自身にフォーカスされてもピンと来ません。納得感が大切な価値観なので、褒める根拠である「成果物・アウトプットの質」にフォーカスすると、「そうでしょ!いい仕事したでしょ」と納得して喜びます。
共感が大切な価値観である「ボノボ」は、プロセスや達成時の「感情」にフォーカスすると喜びます。「大変だったけど、よく頑張ったね」「みんな、喜んでくれているよ」と共感し、心に寄り添うと笑顔になります。
■タイプ別の相性
類人猿のタイプには、相性の良さがあります。同タイプだと話が早く、上手くいきやすいですが、共に勝利を目指す「チンパンジー同士」だと、役割分担や守備範囲を明確にしないとライバルになってしまったり、キャラ被りで最大の敵になることもあります。
目立ちたくない縁の下の力持ちであるゴリラと、目立ちたい、地道な業務は苦手なチンパンジーは完璧な補完関係となります。個別にマイペースで動きたいオラウータン同士なら、お互いを干渉することもないですし、オラウータンの相手がゴリラなら、空気を読んでそっとしておいてくれるでしょう。神輿に担がれたいチンパンジーと、ヒーローに憧れるボノボもベストマッチングで補完関係になり得ます。
■チームの連携
4人それぞれ、別のタイプが集ったなら、明確な役割分担をすることも可能です。フロントマンとなり、早い決断でチームをリードするチンパンジー。スタッフ間や顧客との連絡役、緩衝役となれるボノボ、管理や分析などで後方援護ができるゴリラ、時間をかけて質の高いこだわりのクリエイティブを創り出せるオラウータン。
皆で平等にリーダー業務をになったり、地味な管理業務も分担するのでなく、得意な分野を「任せる」ことで、チーム内での必要とされている感=自己肯定感も飛躍的に上がり、チームが円滑に回ります。
■さらに実際的に活用
皆に5問の診断をしてもらって、どのタイプがわかればベストですが、ある程度気が知れた仲でないとそうはいきません。そのような時、「簡易な診断」を用いて、相手のタイプを推測することも可能です。2軸のマトリックス「感情を出すか・出さないか」「成果主義か安定主義か」で判断するのです。
感情出す、成果主義: チンパンジー
感情出す、安定主義: ボノボ
感情出さず、成果主義: オラウータン
感情出さず、安定主義: ゴリラ
この2軸でタイプを推測して、「あの人はオラウータンタイプだから、急かしたりするのは辞めよう。黙っている時は考えている時だから」とおもんばかると、相手にとって心地よい対応ができますし、無益な争いを生むことも減らせます。
小さなユニットのチームであれば、みんなで診断をして「自分は何タイプ」と教え合い、相手が喜ぶことと嫌なことがわかった上で、役割分担をしたり情報共有をすると上手く回ります。
イベントやワークショップなどでも、事前に診断をしてもらって、名札に何タイプか書いてあると、自己紹介時に打ち解けるスピードも早まります。あえて同じタイプの人同士でワークをしたり、バラバラのタイプでチームを組ませたりすると、生まれるアウトプットも変化を出すことができます。
友人関係や男女のパートナーシップ、親子関係ででも活用ができますので、気軽なところから試してみて、関係向上に活かしてみてください。(記事:福島だいすけ・記事一覧を見る)
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