トランプ大統領、「火星を目指す」と発言 アポロ月面到達50周年で

2019年7月23日 07:23

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 2019年7月20日はアポロ11号が月面に到達して50周年に当たる。その前日、ホワイトハウスでは、当時のミッションの担い手を招き、記念行事が催された。

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 ここでこのミッションを簡単に振り返ってみよう。アポロ11号は、1969年7月16日13時32分(UTC=協定世界時)、サターンV型ロケットで打ち上げられ、4日後の7月20日20時17分(UTC)、月面着陸に成功。翌7月21日2時56分15秒(UTC)、ニール・アームストロング船長が人類で最初に月に降り立った。その19分後にバズ・オルドリン操縦士が月面に降り立ち、2人で月の石を持ち帰った。

 この2人が月面にいる間の約21時間半の間、マイケル・コリンズ操縦士が司令船で月周回軌道を回り、留守を守っていた。3人は7月24日に無事地球に帰還したが、彼らが月から持ち帰った石は、1970年の大阪万博のアメリカ館で公開され世界中の人々の注目の的となった。

 このミッションで米国中の人々がどれだけ勇気づけられたかは、計り知れない。米国は人工衛星、有人宇宙飛行の2つのミッションでソ連に後れを取り、自信を失いつつあった。1962年、ケネディ大統領が人類を1970年までに月に送り込むことを宣言し、米国民を鼓舞したが、翌年11月22日ダラスで凶弾に倒れ、帰らぬ人となった。この日、米国中が悲しみに暮れることとなった。

 1969年7月16日から24日の8日間にわたる3人のミッションは、故ケネディ大統領の弔い合戦に見事勝利し、名実ともに宇宙開発のトップランナーの座に米国を立たせたのであった。一方、米国は2011年にスペースシャトルのミッションを終えて以来、これに代わる有人宇宙船ミッションに取り組んでいない。国際宇宙ステーションへの人員輸送はロシアに頼るしかないのが現状である。

 トランプ大統領は2017年12月に、2025年までに再び月へ人類を送り込むことを宣言していた。そして、3人の宇宙飛行士のうち存命のオルドリン、コリンズを招いた50周年記念式典の席上で、改めて米国が火星を目指すと発言したのだ。

 アポロのミッションでは、米国民が故ケネディ大統領との約束を見事守った形となったが、はたしてトランプ大統領との約束を守ることができるだろうか?我々も人類のひとりとして、大いに応援して行きたいものである。(記事:cedar3・記事一覧を見る

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