関連記事
ホンダ・N-BOXスラッシュ、電動ブレーキに不具合でリコール
改善箇所改善図(画像: 本田技研工業の発表資料より)[写真拡大]
ホンダは6月20日、軽乗用車N-BOXスラッシュの電動パーキングブレーキに不具合が出たとして、国土交通省にリコールを届け出た。対象車両は4万3,419台で、2014年12月8日~2018年12月14日の間に製造されたものが対象だ。
【こちらも】【ホンダ背水の陣】新車販売台数の目標下げるも、カムバックの手法は的外れか?
電動パーキングブレーキアクチュエータに不具合が生じるようだ。『内部ギヤ潤滑用グリス塗布量に対して、グリス溜まり部容積の設定が不足』していたいう。パーキングブレーキを頻繁に使用する環境であると、溜まり部にあるグリスのオイル成分が収容しきれなくなり、あふれてモータ内部に侵入するようだ。
モータ内部では可動部があるため、摩擦により常に金属粉が発生してしまう。その金属粉とグリスが混ざり導電性のある異物となってしまう。パーキングブレーキのため使用し続けることとなるが、モータの内部で通電機能を司る部品に付着して、ショートを起こすこととなる。そうなると警告灯は着くようだが、パーキングブレーキが作動しなくなり、ロックしたままになったり、効かせることが出来なくなったりする。
「サイドブレーキ」と呼ばれていた「パーキングブレーキ」だが、電気仕掛けになりつつある自動車の機構の中で、この10年ほどで電動化が進んだようだ。それまでは原始的なワイヤーで引っ張る機構であったため、緊急時「最後の手段」で手動操作出来る安心材料でもあった。それが電動になったことで、長期使用を続けると問題が発生する事案となったことが心配だ。
今回のリコールはグリス溜まりの容量不足であり、使用環境により違ってしまうため「最大量」を想定していたと思われるが、それが甘かったのだろう。それも放置しておくと自然に回復出来るのであろうが、使用頻度の算定も甘かったのかもしれない。
それほどの危険がある状態でもないため、素直に「リコール」出来たのだろうか?近年、リコールを隠蔽しようとする傾向が少なくなってきており、歓迎すべきことだ。しかしながら、「タカタのエアバッグ」の問題のように、長期使用環境で不具合の発生にばらつきが激しい時、メーカーはなかなか認めようとはしない。
機械である以上は、「ミス」は皆無とはいかない。これをドライバーが把握して備えることが必要とはなっているが、自分の車がFFなのかFRなのかも認知していない人が多くなっている現状では、実際には、備えることは難しいのが実態だ。するとサイドブレーキは、原始的な手動式であるほうが安心だ。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)
スポンサードリンク
関連キーワード