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宇宙の終焉について科学者たちが予測する3つのシナリオ
果たして宇宙に終わりはあるのだろうか。[写真拡大]
私たちの宇宙は誕生からすでに138億年が経過したと考えられている。この気の遠くなるほどの時間を経験してきた宇宙も、いつかは終焉の時が訪れると考えている科学者は多い。
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科学者たちの多くは、一般相対性理論の方程式の解によって3つの宇宙終焉のシナリオを想定している。ひとつの方程式の解から3つのシナリオが出てくる理由は、宇宙の平均密度あるいは宇宙定数に対して、どんな仮説を持ち込むかによって解が異なるためである。宇宙の平均密度も宇宙定数も人類は正確な値を知らないため、どれだけ実際に近い仮説を方程式に持ち込めるかによって、シナリオの正確さが決まる。
その3つのシナリオとは、ビッグフリーズ、ビッグリップ、ビッグクランチである。
ビッグフリーズは、宇宙に存在するエネルギーが有限であり、宇宙が永遠に膨張し続けるという仮定をした場合に導かれる結論で、最終的に宇宙全体が冷たく温度差がなくなった場合に何の反応も起きなくなる状態になるという考え方である。
ビッグリップとは、宇宙全体のエネルギーの約7割を占め宇宙の膨張を加速させる原因と考えられる、ダークエネルギーと呼ばれる仮想エネルギーの密度が時間の経過とともに増加し、やがて宇宙に存在する4つの力(重力、電磁気力、強い力、弱い力)のすべてを上回り、宇宙全体が素粒子のレベルでバラバラになるという仮説である。ここで強い力とはクォークどおしを引き付けている力、弱い力は原子核のベータ崩壊などの原因になる力を指す。
ビッグクランチとは、宇宙全体の重力がやがて宇宙の膨張に打ち勝つことにより収縮に転じるというシナリオで最終的に宇宙は点に戻るという説である。この理論では点に収縮した宇宙が再びビッグバンを起こして、やがてはビッグクランチを迎えるという膨張、収縮のサイクルを繰り返すという考えもある。もしこの説が正しければ、今の宇宙はいったい何度目のビッグバンの結果なのかという疑問や、これからこのサイクルが何度繰り返されるのかという疑問も生まれるが、我々人類にはそれを知る術はない。
ここで紹介した説はすべて一般相対性理論の方程式の解として導かれているため、最新の量子論の考えを用いた場合、私たちの宇宙は全く別のシナリオを用意している可能性もある。量子論の世界ではそもそも宇宙に始まりや終わりがあると考えること自体、人間的な先入観による誤っているとする立場をとる科学者も増えている。
だが現時点では、正解はだれにもわからない。私たちの宇宙は人類にとって簡単には解くことのできない難題をいつも準備してくれている。だからこそ人類の科学の進歩に終わりはないのである。(記事:cedar3・記事一覧を見る)
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