NYの視点:米国の政府機関閉鎖を巡る不透明感もリスクに

2019年1月29日 07:45

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記事提供元:フィスコ


*07:45JST NYの視点:米国の政府機関閉鎖を巡る不透明感もリスクに
世界経済の動向を判断する上で、指標となるキャタピラー社が28日発表した決算は予想を下回った。中国の需要の鈍化が指摘されており、世界経済の成長減速懸念が再燃した。加えて、米国の政府機関が再び閉鎖される可能性も投資家に不安を与えた。

米国のトランプ大統領はウォールストリートジャーナル紙に「議会が国境の壁建設費を巡り、期限である2月15日までに合意する確率は50%を下回る」と懐疑的見方を示し、合意がなければ、政府機関を再び閉鎖することも除外していないと語った。壁建設資金として57億ドル以下の金額を承認することや、壁建設資金と引き換えに、「ドリーマー( 幼少時に親に連れられ米国に不法入国した若い移民)」に市民権を与えるなどの譲歩にも難色を示した。

米連邦議会予算事務局(CBO)は米国の歴史上最長を記録した米国の政府機関閉鎖は、第4四半期の実質GDPを0.1%ポイント削減、2019年第1四半期のGDPを0.2%削減すると見ている。経済への負担は110憶ドル、ネットで30億ドル恒久的な負担になる可能性を警告した。

合意がなければ、トランプ大統領は、非常事態宣言発動も辞さない構えを示している。《CS》

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