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【コストカッター、カルロス・ゴーン(10)】 マクロン大統領の政治的思惑は「邪魔」だ
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日本政府が、「日産の件は1民間企業のこと」とマクロン大統領を冷たくあしらったのは、ゴーン逮捕に日本政府が何らかの形で噛んでいると認めたようなものと感じてしまう。政府ファンド「産業革新投資機構」(JIC)を使って、ルノー株買いを進める意図があるのかもしれない。日産自動車社外取締役の豊田正和氏は経産省の出身で、この6月に日産に送り込まれたばかりの人材だ。その豊田氏を含めた社外取締役3名が会長人選を進めるなど、タイミングがすべて整い、「民事不介入」と言いそうな特捜が1民間企業の派閥争いに介入するのも不自然だ。ゴーン逮捕でフランスが焦って強硬手段に出ると、契約上「不当な経営介入」として日本側が動ける口実となるのかもしれない。マクロン大統領は、デモ隊が暴徒化するなどフランス国内からの突き上げも厳しく、負けるわけにもいくまい。
【前回は】前は:【コストカッター、カルロス・ゴーン(9)】 現実の「RAMAと総会での想定される抗争劇」
■フランス・マクロン大統領の政治的思惑は「邪魔」だ
投資家の関心事は、持ち株比率などによる覇権争いであろうが、ルノー・日産両社のアライアンスにとっては、『第4次産業革命』とも言われる「ネット技術を背景とした世界市場の変化」に対応することが肝要だ。それは、限りなく「受注生産」に近づいた「即納」に近いジャストインタイムの実現と、「便利で効率的なサービス体制(コネクテッドカーを前提)」を提供することだ。これは、トヨタが目指すシェア事業・プラットフォーム提供事業などの「サービス企業」であっても同じだ。また万が一、ネット企業の下請け的存在となっても同様だ。
これを実現するために開発しなければならない技術は、「自動運転技術・EVなど省燃費技術」だけでなく、最重要は「(混流生産を前提とした)順序生産・スイング生産」などなのだ。この生産革命に遅れないようにするには、今となってはフランス政府の思惑が邪魔になってきている。つまり、サプライチェーン構築を前提とするので、企画開発段階からのサプライヤーの参画は必須となり、世界同時、同程度の品質保証を実現した、「究極のジャストインタイム」を目指すこととなる。
その時、フランスの雇用を増大すると言った政治課題により、純粋なそれらの技術開発が曲げられてきていることは、「ルノー・日産・三菱3社のアライアンス深化」の邪魔となっているのだ。これは、「マクロン大統領」に日本政府が告げるぐらいの必要性があることだ。【現実に望むべくもない】が、主導権をルノーが握ろうとすることの自重が望まれ、日産が実力で勝るのなら、自然と技術的優位なものに主導権を預ける決断が、良い結果を生む可能性が高いと見るべきだろう。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)
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