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カルロス・ゴーン逮捕の理由に3つの可能性 世界政治の闇が現れたのか?
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日産自動車、代表取締兼CEO西川(さいかわ)廣人氏の単独記者会見を見ると、特捜部との連携が進み、周到な準備がなされた様子で、とても日産単独での行動とは考えられない。現状では何も分からないが、取締役会対策ともとれる今回の記者会見は、あらゆる意味で事の真相が深く広いことを匂わせている。考えられる真実を3つの可能性に分けて、推察してみることにした。
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■(1)のストーリー【カルロス・ゴーンの単独スキャンダル】
表面的に言われている、有価証券報告書虚偽記載、法人費用の私的流用の表面化の可能性だ。これは、日産自動車の西川代表取締兼CEOの単独記者会見で語られた内容をそのまま受け止めることになる。表面上はこのストーリーで進み、事実の把握は、その経緯を見て推察するしかないのだろうか?
あれほどのカリスマ経営者が、こんな単純なミスをしでかすのであろうか?また、罪状は「許されること」ではないが、取り立てて今、問題視しなければならないことでもないようだ。金額的にも日産の将来を左右するものではない。「見過ごせない事案」としても、ほかにカルロス・ゴーン氏を失脚させなければならない理由がなければ、20日現在までに判明した内容では、危険を冒してまで問題視しない程度のことではないだろうか? それにしても、事は単純すぎてカルロス・ゴーン会長が「間抜け」としか見えてこない。よって、これは真に受けないほうが良いストーリーに感じるが、一方で、権力者のおごりとはこんなものなのであろうか?
「裏切られた!はめられた!」と言ったカルロス・ゴーン氏の声が聞こえてくるような内容だが、今後、明らかになる事実を見て、判断すべきストーリーであろう。
■(2)日産のクーデター説
フランス政府がルノーの筆頭株主であることで、フランスのマクロン大統領が進めようとしていた日産・ルノー・三菱の3社経営統合に対して、この春まではカルロス・ゴーン会長が反対し続けていた情勢にあった。ルノーの日産買収は、もともと規模では日産が上回っているのであり、「小が大を飲み込む」買収劇だった。
現在、3社の生産割合は「6:3:1」ぐらいで、日産が規模では大きくリードしている条件は変わらない。それはルノーが北米市場を持たないためであるが、日産が北米に加えて中国市場でも進出し始めており、マクロン大統領から見れば国益がかかっているのであり、これ以上の日産とルノーの規模の差の拡大は、日産の主導権になり見過ごすわけにもいくまい。この情勢では、3社の統合の証をカルロス・ゴーン会長個人の力に頼っている訳にもいかないだろう。
フランス政府としては、安定的に日産を吸収し、世界のビック3(GM・トヨタ・三社連合)たる自動車会社1社を支配して、国益に資したい考えは当然であろう。それに対して、日本政府は、当然に国内の雇用を守るべくルノーに明け渡す意思はあるまい。この春、ルノーのCEO選任に際して、当初ゴーン氏は再選されないとも見られていた。マクロン大統領とかなり激しくやりあっていたと見られるが、一転、再選されたのだ。それは、統合に向けてカルロス・ゴーン会長が妥協し、合意したともみられ、それが日産側の警戒感を生み、反発を買ったことも考えられる。
日産社内のカルロス・ゴーン会長に対する反対勢力があるとしても、日産の株式を43%持つルノーの代表取締役という、絶対的な尋常でない権限を握ったカリスマ経営者に対して、日産社員だけで特捜部を巻き込んだクーデターのストーリーを描けるとは思えない。西川社長にそれほどの権力、行動力があるとはとても思えない。司法取引が外人の執行役員と交わされたと言われる情報を考えると、日産側のクーデターと見るにしても、その「後ろ盾勢力」があるはずとなる。すると、日本政府の意向が強く動いている可能性が浮かび上がってくる。
それでも、ゴーン氏がいなくなった後、有利になるのはマクロン大統領ではないのか? ルノーの日産自動車の持ち株は43%になり、日産はルノーの株式の持ち株比率は15%程度と、断然不利になる。フランスでは2年以上の持ち株は議決権を2倍とすることが認められるのだが、フランス政府株も同じことで、多少の持ち株比率が動くだけに過ぎない。経営統合の動きを争うには、日産側が圧倒的に不利ではないのか?
もしもこのストーリーで動いているとすると、さらに支援勢力がいることが考えられる。しかし、それも闇の中で推察するしかないのであろう。心の奥深くで「日本頑張れ!」と繰り返すしかない。
■(3)マクロン大統領、黒幕説
これは、マクロン大統領が、ゴーン氏の後継者を含めてストーリーを描き、日産自動車側を使ってゴーン氏の失脚を画策し、これから3社統合を目指して動いてくるのではないかとの見方だ。でもこれであると、特捜部が利用されているだけで、日本にとってはマイナス面ばかりとなる。日産・西川社長もマクロン大統領の意を受けていることとなるので、このストーリーに乗って踊ることは、かなりの覚悟がいる「ぼくとつ」だ。
これは、日本政府が看過できないストーリーなので、フランス政府マクロン大統領と、別件で日本政府安倍政権が、何らかの裏取引をしていない限りありえない動きとなる。
このストーリーも、世界政治の闇がほんのちょっと姿を見せただけで、事実は推察するしかあるまい。
どちらにしても真実は闇の中で、国民にはその姿を見せないと覚悟していたほうが、騙されないで済むようだ。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)
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