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NEC、ヒアラブルプラットフォームを提供 生体情報の活用領域拡大を目指す
ネックバンド型ヒアラブルデバイス(写真:NECの発表資料より)[写真拡大]
NECは11日、ヒアラブルデバイスの活用領域を拡大するために、新たに「バイタルセンシング技術」と「ノイズキャンセル技術」を開発したと発表した。2019年度に、ヒアラブルプラットフォームの提供を目指す。
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ヒアラブルとは、「ウェアラブル」(着装型デバイスの総称)と「ヘッドホン」を組み合わせた造語だ。その先鞭をつけたのは、2016年9月に発表されたアップルの「AirPods」だ。iPhone 7のイヤホンジャックを廃止し、ワイアレスイヤホンをBluetoothで接続。イヤホンにはスピーカーの他に各種マイクやセンサを搭載した。
加えて、AIスピーカーなどの音声アシスト端末の登場や高機能なヘッドホンが、音声を中心にしたヒアラブルデバイスの新たな世界を創造する。音声アシストの台頭と普及は、当然、熾烈な競争や協業を繰り返しながら、市場を成長させる。
今回の発表は、ヒアラブルデバイスに必要な新たな技術開発であるが、最も重要なメッセージは、2019年度に、ヒアラブルプラットフォームの提供を目指すことだ。メーカーを超えたデバイスの接続(通信)が、利用者の利便性の要である。
●ヒアラブルデバイスを構成する技術の特長
先ず、人間の耳には聴こえない音により個人を識別する耳音響認証技術だ。2月に長岡工専と共同開発。ヘッドホン着装のみで個人を認証する。
第2は、2016年に開発した屋内位置測位技術だ。地磁気を活用し、屋内の人物の位置を正確に測定する。
第3は、音響AR技術だ。搭載された9軸モーションセンサを用いて、顔の向きに関係なく音源を任意の位置で固定する。2017年9月発表時点では、世界初の技術と言う。
第4は、今回新たに開発した人の体調をセンシングする「バイタルセンシング技術」だ。9軸モーションセンサ、温度センサ、光学センサの3種類のセンサにより、屋内位置測位や活動量、耳内から温度や脈数など、人のバイタル情報を耳から収集する。
最後は、耳内部/外部に面した2つのマイクを利用した「ノイズキャンセル技術」だ。騒音下でも歪みの少ないクリアな声で円滑なコミュニケーションや音声指示が可能となる。
●ヒアラブルデバイス(NEC、ヒアラブルプラットフォーム)のテクノロジー
工場や現場作業などを想定した実証実験用にネックバンド型ヒアラブルデバイスを開発(写真)。このデバイスを用いて、パートナー企業との共創や実証実験を計画。2019年度にヒアラブルプラットフォームを提供開始する予定という。
今回の発表では、パートナー企業などに触れていない。「CEATEC JAPAN 2018」(16日~19日、幕張メッセ)と、「C&Cユーザーフォーラム&iEXPO2018」(11月8日~9日、東京国際フォーラム)で、詳細は明らかになるであろう。(記事:小池豊・記事一覧を見る)
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