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近畿の中堅スーパーオークワ、株主優待内容を変更 単元株も100株へ
和歌山県和歌山市に本社を置く中堅スーパーのオークワ【8217】は3日、現行の株主優待制度の内容を変更することを発表した。これまでは本社のある和歌山県の特産品を詰め合わせた贈答品を株主優待として行ってきたが、同社が展開するスーパーで使用可能な商品券を中心に行うこととなった。また1日より株式の単元数を変更している。これにより多くの個人投資家へ同社への投資の魅力をアピールする狙いだ。
今回の株主優待内容の詳細は次のとおりである。所有株式数100~999株の株主には500円分の商品券、所有株式数1,000~1,999株の株主には2,000円分の商品券、所有株式数2,000株以上の株主には5,000円分の商品券がそれぞれ送られる。またこの商品券は同社のスーパーが展開している地域に住所がある株主のみに送られ、以外の住所の株主には同額のギフト券が送られることとなっている。
※オークワ商品券が送られる地域は和歌山県・奈良県・大阪府・三重県・愛知県・岐阜県・静岡県・兵庫県
またこれに合わせて1日、これまで株式市場での売買可能な単元数を1,000株から100株に変更した。これによってこれまで株式の最低購入資金が100万円を越えていたものが、3日の終値(1,177円)で11万7,700円で購入可能となっている。
小売業の場合、自社商圏内に住む小口の個人投資家に幅広く株主になってもらうことが王道である。そのために、多くの上場小売業は自社の商品券などで株主還元を行うことが多い。その中でオークワはこれまでそのような方針を取らずにいた。
しかし、同社は地盤の和歌山から少しずつ商圏を広げ、今では静岡県から兵庫県にかけて店舗が展開している。それに合わせて業績も徐々に成長している。同社が今回執行した経営判断は知名度の向上と株主数の更なる増加が期待でき、結果、株価が安定し同業他社のM&Aなどによる事業拡大を目指すことができる。また、小口の株主数の増加はガバナンスにおいて評価が高くなり、大口の機関投資家が投資先に選定する可能性も高められるだろう。
同社は来年創業60周年を迎える。過疎化が叫ばれる地方発の小売業がどこまで成長できるのか。今後の成り行きを見守りたいところである。(記事:福井廉太・記事一覧を見る)
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