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(左上)ローバー1Bのホップ直前、(右上)ローバー1Aが撮影、(左下)ミネルバ2自身のアンテナとピンの影の撮影に成功(ローバー1A)、(右下)高度約67mではやぶさ2の初のONC-W2によるリュウグウの地平線撮影(c) JAXA, 東京大, 高知大, 立教大, 名古屋大, 千葉工大, 明治大, 会津大, 産総研[写真拡大]
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は9月27日、記者説明会において、探査機「はやぶさ2」が小惑星リュウグウに、地上探査機「MINERVA-II1」を分離、着地させ、運用している様子を報告した。その中で、多くのリュウグウの地表写真が送られてきていることも報告された。日本製の地上探査機「MINERVA-II1」は21日にリュウグウに着陸し、ローバー1Aとローバー1Bの2機に分離、写真を撮影するなど自立活動を始めた。
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着陸2日後の23日にはローバー2機とも、リュウグウ表面をポッピングして移動しながら、写真撮影や初めての動画撮影を行ったことがわかった。地球の自転は約24時間なのに対し、リュウグウの自転速度は約7時間半となる。リュウグウでの滞在はこの23日、Sol.7(Solとはsolar timeの略で、太陽の運動を地表上から観測し、天球上でもっとも高い位置)となり、つまり、リュウグウ時間では着陸から7日目となる。記者説明会があった27日はSol.20(20日目)になっていた。
ローバー2機は自立型で、朝の充電が終わると、一日に1度ポッピング行う。15分間空中を移動し、その後バウンドしたりで落ち着くのに45分かかる。交信は1時間の時と2時間の時があるのが現状だという。
「MINERVA-II1」のローバー2機は予定通り、リュウグウの北半球側の第一候補の位置に落下したと思われる。正確な位置を測定するため、現在も写真などを解析中である。その中には「はやぶさ2」のONC-W2による初の写真撮影も含まれている。
9月12日に行った本体タッチダウンのリハーサル1回目では、600メートル地点で「はやぶさ2」が危険回避してしまい、リュウグウに近づくことは出来なかった。しかし、今回の「MINERVA-II1」の分離は高度約57メートルで行われた後、はやぶさ2もリュウグウに高度50メートル付近まで近づくことが出来た。その時には、これまでで最も高解像度の写真撮影を行っている。
次のはやぶさ2の予定は、DLR (ドイツ航空宇宙センター)とCNES (フランス国立宇宙研究センター)によって製作された、はやぶさ2に搭載されている「MASCOT(マスコット)」の分離・運用を3日に行うことになっている。「マスコット」には、広角カメラ・分光顕微鏡・熱放射計・磁力計の4つが搭載されており、質量も9.8キログラム未満と軽量で、着陸予定地は、南半球側になっている。分離を行う3日の夕方、再度記者説明会が予定されており、「マスコット」の無事分離が期待されている。
その後、はやぶさ2は10月中旬にタッチダウンリハーサルの2回目を行い、10月下旬にはタッチダウン本番を行う予定である。
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