クボタよお前もか(1) スバルと同じ?データ改ざん フォレスター、CX-5などに不安は?

2018年9月17日 09:24

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 スバル・フォレスター、マツダ・CX-5など「具体的製品の品質不安の問題」と、どの様なつながりがあるのか? 今回、クボタの検査報告書のデータ書き換え問題で、「納入先の製品では不良は出ていない」とされた。神戸製鋼の検査データ書き換え問題でも「納入先製品の不良」は報告されていない。日産、スバルなどの検査データ書き換え問題でも、「製品不良」は出ていないとされている。検査で規格に適合していないことがあっても不良にならない。これはどうしたことなのか?

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■クボタ、問題の製品は「圧延用ロール」

 クボタの検査報告書の検査データが書き換えられた製品は、鋼材圧延設備の「圧延用ロール」という部品だ。熱い鋼材を板状にするときなどに、挟み込んで伸ばしていくローラーのことのようだ。高温になり、耐熱性能や耐摩耗性の固さが要求される部品だ。これは、兵庫県の尼崎工場で全量生産されていた。2013年10月~2018年7月までに出荷された2万1035本の内、4398本で不適切な行為が行われたという。全体の17%ほどだ。納入先は85社になる。

 発覚は、内部通報によるものだと言う。一連の社会に報道された問題を踏まえて社内調査している時に、内部告発があったらしい。現在「外部法律事務所が調査している」として、調査には2カ月かかるとした。「納入先では、このローラーで造られた製品に不良は報告されていない」としている。もし、ローラーの製品基準が守られていないと、摩耗が早かったりすることが起き、造られる製品の精度を保つためには、短期間での交換が発生する。このチェックに失敗すると、製品そのものの不良が出る可能性が考えられる。

 かつて、三菱自動車のハブ・ドラム・ギヤボックスなど重要保安部品の強度不足で死者まで出していた問題でも内部告発があり、監督官庁が動くことで表面化している。これは、「品質管理」システムが機能していないことを示している。

 日本国全体としても、企業としても、スキャンダル事件のように表面化している。そして「第3者委員会」と称して、外部の弁護士に調査を依頼するなど、企業の品質保証体制としては「とんでもない対応」を見せている。スバルの弁護士による調査報告書を見ていても、企業の「品質保証体制」を全く理解していない、スバル経営者の姿に驚かされた。その後、マツダの同様の問題を聞いて、間違いはあったが、むしろ「品質保証体制を構築している前向きな姿」にほっとしてしまったものだ。

 次は、検査不合格で不良品とならない実際のケースを考えよう。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る

続きは: クボタよお前もか(2) データ改ざんでも不良にならない3つのケース

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