リスク回避的な取引がただちに縮小することは期待薄か

2018年8月16日 16:32

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記事提供元:フィスコ


*16:32JST リスク回避的な取引がただちに縮小することは期待薄か
 15日の欧米市場では米国とトルコの関係改善への期待が後退したことから、リスク回避的な円買いが観測された。トルコリラの反発はやや一服したが、節目の1ドル=6リラを下回っており、トルコリラ安への警戒感はやや低下したようだ。ただし、米紙NYTによると、米国政府はトルコへの追加制裁を検討しており、トルコリラ売りが再び強まる可能性は残されている。

 市場関係者の間では、トルコリラ安は米国の金融政策に重大な影響を及ぼす可能性は低いとの見方が多い。セントルイス連銀のブラード総裁は15日、米紙ウォールストリート・ジャーナルとの会見で「トルコには特殊要因が存在しており、現時点で影響が広がる感染症とはならないだろう」との見方を伝えている。トルコリラ安が信用収縮や世界的な株安のきっかけになるとの見方は一部にとどまっているようだが、新興国市場における不確実性は低下していないことから、「リスク回避的な取引がただちに縮小することは期待できない」との声も聞かれている。《MK》

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