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ヤマハ発動機4輪進出(1) 鋼管プラットフォームでつまずく 開発技術と量産技術は別物
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ヤマハ発動機が4輪進出でつまずいているようだ。2輪メーカーとしては成功を収めてきたヤマハが、4輪進出を考えたのは当然でもある。ホンダ、スズキに続きたい心情は理解できる。しかし、遅きに失した感は否めない。ホンダ、スズキが動き出したのは半世紀も前のことだからだ。現在、自動車業界は激動期に入り、技術的に追いつくのは大変であるが、チャンスと言えなくもない。
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■ヤマハがつまずいたのはテスラと同じ量産技術
ヤマハの現在の悩みがどこにあるのか、詳しい話は出てこない。しかし、「鋼管プラットフォーム」であることは確かだ。2輪メーカーのヤマハは、2輪製造・生産技術の延長で4輪を量産できないかを探っていたのであろう。自動車のプラットフォームは、大型プレス機械と高価な金型で鋼板を成型し、その部品をつなぎ合わせて衝突強度などを出していく。
最近では軽量化の取り組みが盛んで、高張力鋼板、それもホットスタンプなどで加工が難しい材料まで使うようになってきた。アルミやカーボンなども使われるようになり、革命期でもある。その中でヤマハは、鋼管を使った構造を考えた。それは金型や大型プレスを必要とせず、初期投資をかなり節約できる見込みがある。また、金型償却を考えずにモデルチェンジが出来るのはメリットだ。さらに、製造工程において、手作りのように製品の姿かたちを、コストを抑えたまま変えられるとしたら、革命的なことになる。ヤマハは、その「鋼管プラットフォーム」の可能性を見ていたのであろう。
マクラーレンF1マシーンの製造実績のあるゴードマン・マレー・デザインと提携して、鋼管構造の「アイ・ストーム」を作り上げた。しかし、鋼板をプレスした部品をスポット溶接した構造と比較して、鋼管で造ることは思ったより手間がかかってしまったのであろう。鋼管で骨組みを作れば、当然に衝突衝撃は鋼管構造で持ちこたえねばならない。すると、量産には不向きな製造技術であることが分かってきたのであろう。
鋼管を加工するときベンダーを使うことになる。曲げられた外側は伸びて薄くなる。内側は縮められて厚くなる。また材質を固くすれば、余熱が必要となる。さらには、パイプ構造がつぶれないように砂などを内部に詰め込んで曲げるなどする場合がある。どちらにしても手間暇がかかるのと、「ばらつき」が多くなる。
さらに「曲げ」では対応できず、溶接する必要が出る。スポット溶接と違って、溶かすだけでなく「糊付け」のように金属を注ぎ込むことになる。かなり神経を使う作業となる。
次は、経営技術とのつながりを見てみよう。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)
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