NYの視点:米6月FOMCの焦点

2018年6月8日 07:36

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記事提供元:フィスコ


*07:36JST NYの視点:米6月FOMCの焦点
米連邦準備制度理事会(FRB)は6月12−13日に連邦公開市場委員会(FOMC)を開催する。FRBはこの会合で現行1.5%−1.75%の政策金利であるFF金利誘導目標を0.25%引き上げ1.75%−2.00%にすることがほぼ確実と見られている。

このため、焦点は、パウエルFRB議長の会見、声明や四半期に一度公表されるメンバーの予測に集まる。その中でも、最大の焦点は、金利予測で果たして、本年の利上げ予測が依然3回にとどまるか、それとも、4回に引き上げられるかとうかということになる。

今年に入っても労働市場が完全雇用にある中、インフレ圧力も強まる兆候が見られ、3月に公表された予測では、4回の利上げ見通しに引き上げられるとの思惑も少なくなかった。しかし、結果は、3回の利上げにとどまった。

米国経済は引き続き好調で、インフレも上昇する基調が見られるが、過熱する状況ではない。同時に、米国政府が貿易相手国に追加関税を課しことで、国内企業への影響も懸念され始めている。また、貿易論争も激化。北朝鮮、イラン問題など地政学的リスクも存続する中、状況が3月から大幅に改善されたとも思えず、依然不透明性も強い。このため、FRBのスタッフは今回も3回の利上げ予想(3月、6月、9月)にとどまる可能性が強いと考えられる。

FOMCの声明変更は委員会の経済、インフレに関する評価を反映することになる。フォワードガイダンスの変更や、金融政策のスタンスとして緩和的という文言を変更することも考えられる。《CS》

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