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スバル国交省への報告書(6) 「品質低下は気にしない」で開発速度を高めろ!?
■品質低下は気にしない、開発速度を高めることで利益を上げろ!?
最近は、スバルに限らず問題があっても法的訴訟に備えて、「事実を認めない」企業、組織が大多数だ。財務省など行政機関が最も激しい。官僚・政治家の国会答弁は、嘘であると国民誰もが感じるものでも、まかり通っている。そのストーリーは国民をなめたものだが、国民自身が「なめられている」と自覚できないでいる。自動車メーカーの姿勢次第で、国民の命が奪われることになることは、過去の三菱自動車の事故(事件)などで分かっているはずなのだ。「スバルのこの報告書を見逃してよいものであろうか?」と、明確な証拠がない中では考えてしまう。基本的に「スバル経営者の良心」にゆだねることとなってしまう。国民がしっかりしなくてはならないが、何しろ国際競争の中でのモラルの問題だ。
【前回は】スバル国交省への報告書(5) スバルの言い分(4) 原因は「規範意識の欠如」
その中でスバルも苦しい立場だが、「品質保証」は企業、特に自動車メーカーにとって“命”と言ってもよい。だから、現代の新しい経営理論・管理理論である「危険を冒しても事業目的を早急に進める」とした理論を誤解しないことだ。企業活動には国民の命がかかっていることを、正しく認識しておくことが最低限のモラルだ。「国民の命の危険を軽く見て、進めてよい企業目標」などない。中国の新幹線事故の顛末を理解することだ。またテスラの事故を分析するのだ。
参考:さらばQCDプロマネA 品質低下は気にしない、システム開発速度を高めるコツ(日経XTECH ACTIVE)
韓国企業に駆逐された日本家電メーカーの社員の意見を聞くと、「何よりも韓国企業は決定が速い」と感想を述べる。確かに、日本企業では創業家も去り、「サラリーマン重役」が増えた。そのため「責任の所在」を気にする余り、決定が下りるまでに時間が過ぎてしまう。一方、韓国企業は「財閥」と言われる創業家の支配が強く、「ワンマン経営者」が多い。その引き換えに「責任の所在が明確で決定が速い」となる。「民主的でない」ことの裏返しだ。
最近、こうした企業の動きを速めるために「危険を冒してでも企業目標を早く達成したほうが、業績が良い」と考え、「やってしまえ」となる動きを良しとしている。この動きの背景にファンドの投資家としての動きがある。ファンドは「短期間の利益」を最優先するため、長期的視野で見ると、本来のビジネスモデル自体を傷つける危険を冒すこともいとわない。リーマンショックのような馬鹿な結果が起きるのは、こうした動きの極端な例だ。よく理解しておく必要がある。
日本の原子力発電事業に関しては、「千年に一度」と言われる「東日本大震災」を考慮してこなかった。その結果「起こしてはならない災害」を起こしてしまった。こう言った「企業存続にかかわる危険」を避ける努力が、通常は行われて慎重に事は進められる。しかし、家電メーカーのように、それでは財閥支配の韓国企業には太刀打ちできない。官僚独裁の中国企業には歯も立つまい。そして、これまでの実績では、中国企業は品質を優先とすることなどない。それは一党独裁政権が長く、個人の人権を尊ぶ姿勢が定着していないからだ。全体主義とはそうしたものだ。「神風特別攻撃隊」を思い返してみれば分かることだ。
この動きは、韓国の財閥、中国の国営企業の拡大、アメリカファンドの活動で、世界的流れとなった。これに抗することは大変困難だ。中国独自の製品品質では、とても日本市場では売れなかった。しかし、日本製品の品質でなくとも、中国市場では売れていく。安いことが優先されるのだ。そのため中国の富裕層は日本製品を買いあさった。中国市場が世界の標準的品質を当然とするレベルになるまで、この状態は続く。中国政府の政策で技術も盗まれる。海外企業としては企業秘密を教えなければ中国進出が出来ない仕組みだ。巨大化する中国市場を見過ごすこともできない各国の企業は、苦しいところだ。
これが従来の日本企業の品質に関する解釈を大きく変えるかもしれない、世界の流れだ。「万が一の危険にこだわらずに・・」「多少の危険を冒しても・・」となっていく流れだ。
次は、この動きが進んでいくとどのような結末が待っているのか、「市場の縮小」について考えてみよう。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)
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