NEC、日本とグアム・オーストラリアを繋ぐ大容量光海底ケーブルの建設開始

2018年4月6日 05:52

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光海底ケーブル「JGA」のルート図(画像: NECの発表資料より)

光海底ケーブル「JGA」のルート図(画像: NECの発表資料より)[写真拡大]

 NECは4日、日本とグアム、オーストラリア間を結ぶ大容量光海底ケーブル「JGA」の建設を開始すると発表。このケーブルの企画、推進はグーグルなどの企業で構成されるコンソーシアムによって行われる。完成は2019年の末頃になる予定だ。

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 JGAには最新の光波長多重伝送方式が採用されており、最大設計伝送容量は毎秒36Tbps。日本の南房総市からグアムを経由してオーストラリアのシドニーまで延びる、総延長距離約9,500kmの光海底ケーブルである。

 さらにJGAはNECが建設に携わる2つの光海底ケーブル「SEA-US」「HK-G」とグアムで接続され、日本及びオーストラリアとアメリカ及びアジア間をつなぐ役割を果たす。増大する通信需要への対応、ネットワークの冗長性確保、信頼性の高い通信の確立に貢献すると見込まれている。

 SEA-USはアメリカ本土と東南アジアを結ぶ、大容量光海底ケーブルだ。フィリピンとインドネシアからグアム、ハワイを介してアメリカに達する総延長約1万5,000kmの光海底ケーブルである。

 毎秒100Gbpsの光波長多重伝送方式に対応しており、最大で毎秒20Tbpsの伝送が可能だ。2015年3月よりNECが建設を進め、現在では既に稼働している。

 またHK-Gは香港とグアムを繋ぐ総延長約3,900kmの光海底ケーブルである。SEA-USと同じく毎秒100Gbpsの光波長多重伝送方式に対応、建設時設計容量としては毎秒48Tbpsの伝送が可能とされる。2019年末に稼働開始となる予定。

 このSEA-US、HK-G、そしてJGAがグアムを中継地点として結ばれることで、太平洋を縦横にはしる広大なケーブル網は完成する。なおそのJGAの建設、運用には海外で通信や放送、郵便事業を行う企業をサポートするJICTの開発支援金やNECキャピタルソリューションなどからのシンジケートローンが活用されている。(記事:小椋恒示・記事一覧を見る

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