コマツ、住友化、アイシン精機など/本日の注目個別銘柄

2017年10月25日 16:44

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記事提供元:フィスコ


<6594> 日本電産 14740 -80買い先行もマイナス転換。7-9月期の決算を発表、営業利益は436億円で市場予想をやや上回った。今期2度目の上方修正で通期計画は1650億円から1700億円に、コンセンサスに近い水準まで上方修正した。年間配当金も90円から95円に引き上げへ。決算数値にインパクトはないが、「車載および家電・商業・産業用」の営業利益の伸長、利益率の上昇などを評価する動きが先行。その後は利食いに押される展開に。

<7751> キヤノン 4127 +32続伸。決算を発表、10-12月期営業利益は約805億円で前年同期比2倍となり、750億円レベルの市場コンセンサスを上回る着地。あわせて通期計画は3300億円から3500億円に増額、今期3度目の上方修正となる。LBPの回復継続、デジカメの新製品好調、FPD露光装置/OLED蒸着装置の大幅増収などが背景。想定以上の業績改善モメンタム、現タイミングでの増配発表などを評価する動きが優勢に。

<6301> コマツ 3696 +119大幅反発。米キャタピラーが7-9月期決算を発表、これが好感される形で前日の米国市場では約5%の大幅な上昇となっている。国内建機大手の同社にも業績期待が波及する展開になったようだ。キャタピラーでは、通期売上高予想を440億ドルに引き上げ、今年3度目の上方修正となる。利益面でも、第3四半期の一部項目を除くEPSは1.95ドルで、市場予想平均の1.25ドルを上回り、通期予想を上方修正している。

<4005> 住友化 787 +32大幅続伸。前日に上半期業績予想の上方修正を発表している。営業利益は650億円から920億円に、経常利益は750億円から1150億円に上方修正。経常利益はコンセンサスの850億円レベルを大きく上回っている。医薬品、石油化学、エネルギー・機能材料などが計画比上振れのもようで、持分法利益増加や為替差益なども経常利益の押し上げ要因に。通期予想は上半期決算時に上方修正されるとみられている。

<6370> 栗田工 3665 +285大幅続伸。業績予想の上方修正を発表。上期営業利益は77億円から約102億円に、通期では185億円から210億円へ増額修正。市場予想は上期が90億円強、通期が190億円程度であり、想定以上の上振れとなる形に。電子産業向け水処理装置の売上増加や海外電子産業向けハード工事及び国内一般産業向け工事の収益性改善が主因のもよう。下期は実質据え置きであることから、通期計画はさらなる上振れも期待される状況に。

<7259> アイシン精機 6040 -160大幅反落。モルガン・スタンレーMUFG証券では投資判断を「イコールウェイト」から「アンダーウェイト」、目標株価も6100円から5000円に引き下げている。また、19年の中国NEV規制が日本の伝統的な部品会社のリスクに対する認識を強めるとして、業界判断も「Cautious」に引き下げ。EV向けでATは減速機や駆動モータに置き換えられるため、ATでの圧倒的な同社優位性が低下するとみているようだ。

<6396> 宇野沢鉄 3070 +503ストップ高。前日に業績予想の上方修正を発表している。上半期営業利益は0.7億円から約1.8億円に、通期では1.5億円から3.5億円にそれぞれ大幅上方修正。売上の4割を占める液晶製造装置向け真空ポンプの原価低減、利益率の高いメンテナンスの好調などが背景。第1四半期は高進捗であったが、想定以上の業績変化率の高さにポジティブなインパクトが先行。

<5486> 日立金 1485 -149大幅反落。前日に上半期の決算を発表している。営業利益は約322億円と前年同期比3.7%増益、7-9月期では145億円で同約1.4%減益となっている。通期予想は800億円で2割超の増益予想となっているが、未達懸念が強まる状況となっているようだ。ターボエンジン用の耐熱鋳鋼の生産性改善が遅れており、業績の重しとみられている。景気敏感株の業績が全般好調な中で、想定以上の業績伸び悩みをネガティブ視。

<2503> キリンHD 2690 -70.5大幅反落。SMBC日興証券では投資判断を「1」から「2」に格下げしている。目標株価は3000円を据え置き。株価の上昇を格下げの主因としているが、評価軸は構造改革から再成長戦略へと転換、これを評価するには時期尚早と判断している。今後の焦点は財務体質改善をどう活かしていくかだと指摘。なお、同証券では食品セクターにおいて、山崎パン<2212>や日本ハム<2282>などの投資判断も格下げしている。

<4508> 田辺三菱 2531 -176大幅反落。前日に発表した業績予想の下方修正が嫌気された。上期営業利益は405億円から365億円に、通期では900億円から810億円に下方修正。糖尿病治療薬インヴォカナの導出先の販売低迷による海外特許料収入の下振れ、M&Aに関連したR&D費用の増加やアドバイザリー費用などが背景。また、売上高も下方修正していることで、市場の注目度が高いALS治療薬ラジカヴァの上振れも期待しにくくなったとの見方。《DM》

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