ドル円は狭いレンジでの動き、FRB次期議長への思惑も 10月18日のドル円為替

2017年10月18日 12:03

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 10月3週目は1ドル112円から112円半ばという非常に狭いレンジでの為替レートの変動となっている。北朝鮮の動向を警戒した地政学リスクがドルの上値を限定的にしており、経済指標の好調ぶりと織り込み済みの12月の追加利上げ、税制改革への期待から底堅い状態だ。

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 10月17日は17:00(すべて日本時間)ごろに1ドル112円11銭をつけていたが、21:30に発表された9月輸入物価指数が前月比+0.7%と事前予想の+0.6%を上回った。22:15には9月鉱工業生産と設備稼働率が発表され、鉱工業生産は事前予想の+0.3%と変わらず、設備稼働率は事前予想の76.2%をわずかに下回り76.0%だった。23:00には10月NAHB住宅市場指数が発表され68と事前予想の64を上回っている。これらの経済指標の影響により、10年債利回りは、2.31%まで上がり、2.29%まで下がった後に2.325%まで上昇している。23:00ごろには1ドル112円48銭の上値をつけた。

 ダウ平均も2万3,000ドルと史上最高値をマークし、トランプ大統領が称賛している。トランプ大統領はFRB議長をまもなく指名するともコメント。予測では来日前だ。有力なのはイエレンFRB議長の再任かスタンフォード大ジョン・テイラー教授とされている。どちらも利上げについては前向きだが、テイラー教授は現状の1.25%という政策金利を3.5%まで上げる金融政策をシュミレーションしている。よりタカ派色の強いテイラー教授がFRB議長になれば、ドル買いの強力な材料となるだろう。こちらへの期待感がさらにドルの下値を限定的にしている。

 18日から中国では共産党大会が開催され、ここにタイミングを合わせての北朝鮮の水爆実験や弾道ミサイルの発射が懸念されている。20日まで続く米韓合同軍事演習はそちらを警戒したものかもしれない。さらに朝鮮半島周辺では米国艦隊の軍事訓練も予定されており、予断は許さない状況が続くだろう。

 本日は21:30より9月住宅着工件数、建設許可件数、23:00からは週間原油在庫、19日3:00にはベージュブック発表となる。(記事:ろひもと理穂・記事一覧を見る

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