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ドル円はついに107円台、9月9日と来週のドル円為替
いよいよドル円は1ドル107円台に突入している。9月9日の北朝鮮の建国記念日を目前にして、緊張感がかつてないほど高まっているのが原因であろう。地政学的リスクの高まりによってドルが売られ円が買われる状況が続いている。
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9月8日は3:55(すべて日本時間)ごろに1ドル108円70銭の上値をつけていたが、8:00ごろダドリー・ニューヨーク連銀総裁が「ハリケーンが金利引き上げ時期に影響するだろう」とコメントし、さらに「ドル安が貿易面の重しを緩和する」と発言した。朝鮮半島の地政学的リスクの高まりからドルが売られていたが、さらに加速していく。21:00には1ドル107円32銭の下値をつけた。ここから反発もあり、ドルを買う動きも出てくる。
23:00には7月卸売在庫改定値が発表され、+0.6%と事前予想の+0.4%を上回った。同じく7月卸売売上高も発表され、こちらは-0.1%と事前予想の+0.5%を下回っている。23:45ごろには1ドル108円台まで戻すも、そこからはドルが売られるようになり、1ドル107円80銭でクローズしている。先日テキサス州を襲ったハリケーン「ハービー」を超える大型ハリケーン「イルマ」が襲来しており、こちらの被害も心配されるところである。
ポイントは、なんといっても米国と北朝鮮が交渉によって現在の問題を解決できるかであろう。9月9日に北朝鮮に動きがなければ、地政学的リスクは後退し、再びドルを買い戻す動きも出てくる。何事もなく9月9日を終えて欲しいものだ。
来週はインフレの状況を反映する経済指標が発表される。9月13日には8月生産者物価指数(PPI)、PPIコアデフレーターだ。コアの事前予想は+2.1%となっており、これを上回ってくればドル買いの大きな材料となる。14日は8月消費者物価指数(CPI)、CPIコアデフレーターだ。コアの事前予想は+1.6%となっている。さらに15日は8月小売売上高の発表だ。これらの結果が年内の追加利上げ観測にも影響を及ぼしてくることになるだろう。(記事:ろひもと理穂・記事一覧を見る)
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