【編集長の視点】パイプドHDは小反落も今期1Qの好決算を再評価して内需系バリュー株買いの再燃が有力

2017年7月10日 09:05

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

 パイブドHD<3919>(東1)は、前週末7日に8円安の1213円と小幅反落して引けた。週末の日経平均株価が、2日連続で心理的なフシ目の2万円大台を割ったことが波及、7月4日に年初来高値1300円まで買い進まれていた同社株にも目先の利益を確定する売り物が出た。ただ下値には、今年6月30日に発表した今2月期第1四半期(2017年3月~5月期、1Q)業績が、2ケタ増益で着地し、期初予想の今期第2四半期(2017年3月~8月期、2Q)累計業績に対して高利益進捗率を示したことを手掛かりに業績上ぶれ期待を高める内需系のバリュー株買いは継続した。今年7月2日に投開票の東京都都議会議員選挙で与党・自民党が大敗したことも、同社の政治・選挙情報サイト「政治山」や、ブロックチェーンなどの新技術を活用して投票システムなどを開発するために設立した子会社のVOTE FORへの株価注目度を高めている。

■2Q業績対比の1Q利益進捗率は61%~76%と目安の50%を大きくオーバー

 同社の今期1Q業績は、売り上げ13億1700万円(前年同期比13.3%増)、営業利益2億5200万円(同16.9%増)、経常利益2億5100万円(同15.4%増)、純利益1億6800万円(同95.4%増)と伸び、今期2Q累計予想業績対比の利益進捗率は、61%~76%と目安の50%を大きくオーバーした。情報資産プラットフォーム事業は、アパレル特化型ECプラットフォーム「スパイラルEC」でLINEやメールでの配信を可能とした新版の提供を開始したことなどから売り上げが8億7900万円(同12.7%増)、営業利益が2億3900万円(同13.9%増)と順調に推移し、ソリューション事業でも、複数のサービスを連携させて最適なソリューションを提供、売り上げが3億7800万円(同24.0%増)、営業利益が前年同期の900万円の損失から2500万円の黒字に転換したことなどが要因となった。  今期2Q累計業績・通期業績は、期初予想に変更はなく、このうち2月通期業績は、売り上げ53億円(前期比10.4%増)、営業利益8億4500万円(同0.0%増)、経常利益8億3500万円(同3.4%減)、純利益4億7000万円(同16.2%増)と見込み、純利益は、前期の過去最高を連続更新する。

■直近3割高のスピード調整局面も昨年4月高値に向けたキャッチアップは継続

 株価は、ロシアの地下鉄テロ、北朝鮮の弾道ミサイル発射などの地政学リスクへの警戒モードが強まるなかで突っ込んだ年初来安値940円から下げ過ぎとして1083円高値までリバウンドし、25日移動平均線を出没するレンジ相場を続け、今期1Qの好決算とともにボックスを上放れ年初来高値追いとなった。足元では年初来高値まで3割高の急伸となり、スピード調整の一服場面となったが、PERは21倍台と同業他社比較で相対的に割安であり、昨年4月高値1390円に向け騰勢再燃となろう。(本紙編集長・浅妻昭治)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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