サッカー中国U-20がドイツ4部リーグに参戦へ

2017年6月23日 21:07

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■オリンピックを見据えて


 近年、ワールドクラスの大物サッカー選手を獲得し、サッカー界をにぎわせている中国がまたも驚くことを行った。なんと異国、それもヨーロッパのサッカーリーグへと、自国のユース代表を参戦させる方針を打ち出したのだ。参戦する予定となっているのはドイツの4部リーグ。そこで武者修行をさせ東京オリンピックで成果を挙げようという狙いだ。

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 まだ完全な合意に至っているというわけではないが、ドイツメディアの報道によると、ドイツの4部リーグに所属している19チームからは合意が取れているという。その背景には、対戦相手に対して、中国サッカー協会から1試合あたり1万5000ユーロ(約186万円)支払われることがある。7月5日の習近平国家主席のベルリン訪問時に、正式合意される予定という。

■日本もうかうかしていられない


 ドイツの4部リーグと中国のU-20では恐らくドイツのチームの方が、レベルが高いだろう。つまり中国U-20は試合ごとにレベルを上げていく可能性がある。しかもサッカーのマナーや、観戦態度も、間近で感じることができる。

 若い選手がそういったものをしっかり身に着けることができれば「評判が悪い中国サッカー界」の改善につながることだろう。1試合当たりの授業料としてはいささか高い気がするが、将来の投資を見据えてのことなのでプラスに転じるのではないかと思う。そうなってくると日本もうかうかしていられない。同じことをしろとは言わないが、中国のようにとんでもない発想で「何とかしよう」という意識を持つ必要がある。

■日本サッカー界の停滞


 1994年まで日本は1度もワールドカップに出たことがなかったが、98年のフランスワールドカップで初出場を果たしてからは当たり前のように出場するようになった。とはいえ、それ以上の結果はなかなか残せていない。日本が掲げるワールドカップベスト8を果たすためには、もう1段階も2段階もレベルを上げる必要がある。

 今シーズンからDAZNがJリーグの放映権を買い取り、各チーム大型補強に踏み切った。しかし代表に呼ばれるのは海外のクラブで活躍する選手が中心となり、今のところ日本代表に還元されているとは考えづらい。

 もし日本サッカー界が本気でワールドカップベスト8やオリンピックでのメダル獲得というのを狙うのであれば、「そんな手があったのか!」というような誰も考え付かないようなアイデアも必要ではないだろうか。そういった意味では、今回の中国の政策は参考にするべき点があるかもしれない。

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