タカタが民事再生法適応申請か?

2017年6月22日 08:25

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記事提供元:エコノミックニュース

メディア各紙が、エアバッグ大手のタカタが民事再生法適応申請の方向で検討と報道。タカタの再建がどのようになされるのか今後注目を浴びることとなりそうだ。

メディア各紙が、エアバッグ大手のタカタが民事再生法適応申請の方向で検討と報道。タカタの再建がどのようになされるのか今後注目を浴びることとなりそうだ。[写真拡大]

 メディア各紙が、エアバッグ大手のタカタ<7312>が民事再生法適応申請の方向で検討と報道した。報道のあった6月16日はタカタ株の取引が停止となった。

 しかしタカタ側は、「法的手続きの申し立てに関する一部報道についてあったものの、現時点において何ら決定した事実はない」、とのプレスリリースを発表しており、今後のタカタの再建がどのような形となるのか、まだ決定はなされていない。

 タカタはアメリカでのエアバッグ死亡事故を契機とするリコール問題への対応が後手に回った結果、既にキー・セイフティー・システムズ社(KSS社)をスポンサー候補として再建を図ることが予定されている。しかしながらリコールの過程で、自動車メーカー各社が約1兆円のリコール費用を負担している。既にタカタに自動車メーカーが肩代わりしているリコール費用を負担できる体力は残っておらず、再建の過程で自動車メーカーの負担金の扱いをどのようにするのか、注目を浴びていた。

 仮に報じられているように民事再生法適応申請となった場合は、自動車メーカーはリコールの立て替え費用を債権として届けることにより裁判所の決定に基づき、タカタの支払金額が確定することとなる。ただし私的整理等、裁判所を介さない方法で再建を目指す場合は、タカタ及びスポンサー候補のKSS社と自動車メーカーとの交渉により、立て替え費用の負担金額が決定されることとなる。

 自動車メーカー各社は既にタカタのエアバッグのリコール立替金分は損失計上済みであり、新たな損失は発生しない状況である。しかし立て替えという位置付けであり、また安直に債権額のカットには応じられない。

 タカタの民事再生法適応申請は未決定であるが、エアバッグの世界的大手の会社で市場シェア及び技術力も有している同社は、何らかの形でスポンサーの支援を受け、再建の方向に進むと考えられる。民事再生法適応申請で裁判所の管理の下で再建が進むことになるのか、私的整理等で裁判所の関与なく再建の方向に進んでいくのか、タカタの再建がどのようになされるのか今後注目を浴びることとなりそうだ。(編集担当:久保田雄城)

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