【中国】済州島到着の国際クルーズ客船、中国人観光客3400人が下船拒絶

2017年3月19日 11:22

印刷

記事提供元:フィスコ


*11:22JST 【中国】済州島到着の国際クルーズ客船、中国人観光客3400人が下船拒絶
韓国済州島に到着した国際クルーズ客船で、中国人乗客約3400人が下船を集団で拒絶する事例が報告された。「前代未聞」の抗議活動として、現地で懸念されている。福岡を出航したコスタクルーズの運航する「コスタ・セレーナ号」は、11日午後1時ごろに済州島の港に接岸。観光客を待つ大型バス約80台が駐車したまま利用されなかったという。環球時報などが13日付で伝えた。

ただ、12日に済州島に到着したコスタクルーズの別クルーズ客船では、正常に回復。乗客2300人あまりが下船し、一般の観光コースを移動した。

地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の在韓米軍配備に反発し、中国は各種の“報復措置”を実力で行使。中国の国家観光局は今月2日、北京の旅行会社を招集して会議を開き、韓国団体ツアーの販売を中止するよう指示。また、北京以外にも全国的に指示が出され、文書ではなく、電話などを使った口頭で通知が行われたという。

また、ロッテが中国で展開する商業施設ロッテマートに関しては、消防法違反などで中国当局から営業停止処分を受けるケースがこのところ相次ぐ状態。すでに23店舗以上が閉鎖したとの情報もある。ロッテのグループ企業はTHAAD配備に向けて用地(慶尚北道星州郡のゴルフ場)を提供した。

一方、韓国の与党関係者は7日、THAAD配備を理由に中国が韓国企業に対して経済報復を繰り返していることに言及。世界貿易機関(WTO)への提訴を検討していることを明らかにした。

【亜州IR】《SK》

関連記事