2024年以降、夏季オリンピックは消滅する可能性も

2017年2月28日 17:31

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■2024年オリンピック


 2020年の東京オリンピックの次となる2024年夏季オリンピックの開催地はまだ決まっていない。現在立候補している都市は、パリとロサンゼルスの2都市だけだ。元々はドイツのハンブルグ、イタリアのローマ、ハンガリーのブタペストも立候補していたが、3都市はいずれも開催費用への懸念がネックとなり誘致を断念した。

■オリンピックを行うという事


 華やかなオリンピックは競技場の建設や設備に莫大な経費を必要とする。大会が行われている間はいいが、終わってから、廃墟と化しているスタジアムや競技場も少なくはない。リオデジャネイロオリンピックでは開催される前から廃墟となることが分かりきっていた。

 国としてはいいパフォーマンスとなるオリンピックだが、そのしわ寄せは市民に来る。そのため政治家や富裕層は自国開催をしたい。が、貧困層には迷惑な話であり、大きなスポーツイベントが「貧困層を圧迫するスポーツの祭典」となってしまっているのだ。

 人口が多く世界的に見たら財源が確保できるとされている東京でさえ、ここまであたふたしているのだ。実際「開催決定!」となっていなかったら「取りやめ」なんて案も出ていただろう。つまり「オリンピックをやるデメリットが大きすぎる」と考えられているのだ。

 テロの問題も然りである。ここまで大規模な祭典となると大多数の国の人間が参加する。その選手を応援する者達も来ることになる。そんな不特定多数から国を守るのにも莫大な費用と労力がかかるのだ。

 そもそも論になってしまうが本当にオリンピックは必要なのだろうか。競技の世界一を決めるのは各競技で行い、何もオリンピックでなくてもいい。もしオリンピックが消滅する事でマイナーなスポーツの競技者がいなくなるのであればそれまでの話だったという事だ。少数意見に耳を傾ける事も必要だが、それで全体が総崩れしては意味がない。

■今後のオリンピックについて


 私は何もオリンピックを行う事に反対しているわけではない。ただ、オリンピックが、市民の生活を圧迫する上で成り立つ祭典であってはならないと説いているのだ。毎回同じ都市で行う、競技場は極力新設しない、開催都市は複数で、などと言った融通を効かせないと必ずしわ寄せが来る。

 「オリンピックは東京オリンピックで最後」と言う事にはならないと思うが、2024年で最後というのは可能性としてないとは言えない。もしかしたら東京オリンピックは「今後のオリンピック存続」と言う視点からも注目を浴びるのかもしれない。

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