世界最小のロケット、15日打ち上げも失敗

2017年1月22日 19:18

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記事提供元:エコノミックニュース

航空宇宙研究機構(JAXA)・宇宙科学研究所(ISAS)は15日、世界最小のロケット「SS520」を鹿児島県肝付町の内之浦宇宙空間観測所から打ち上げた。20秒後にデータ受信が途絶え失敗に終わったが、今後の更なる開発に期待したい。

航空宇宙研究機構(JAXA)・宇宙科学研究所(ISAS)は15日、世界最小のロケット「SS520」を鹿児島県肝付町の内之浦宇宙空間観測所から打ち上げた。20秒後にデータ受信が途絶え失敗に終わったが、今後の更なる開発に期待したい。[写真拡大]

 航空宇宙研究機構(JAXA)・宇宙科学研究所(ISAS)は15日、ロケット「SS520」を鹿児島県肝付町の内之浦宇宙空間観測所から打ち上げた。全長9.5メートル、直径52センチ、重さ2.6トンと、世界最小のロケットとして注目を集め、東京大学が開発した小型人工衛星「TRICOM-1」が搭載されていた。

 当初は11日に打ち上げる予定だったが、強風のため延期。15日午前8時33分に打ち上げられたロケットは正常に飛行していたものの、約20秒後に機体からのデータを受信することができなくなり、第二エンジンの点火を中止し、観測所南東の海上に落下。ロケットの打ち上げは失敗に終わった。

 今回のロケットには民生部品が使われていたことも大きく注目されていた。仮に今回打ち上げが成功していれば民生部品でもロケットを製造することが可能だという裏付けができ、民間企業なども宇宙開発に参画する大きなきっかけになったと考えられる。JAXAによると現段階では原因不明で、民生部品の導入か原因になったかも含めて、今後詳細調査をしていくという。

 今のところ今後同様のプロジェクトが行われるか否かはまだ決まっていないが、ロケット開発のリーダーを務めたJAXAの羽生宏人准教授は「原因究明が先だが、民生部品を活用するという方向性は失いたくない」と会見で述べた。

 世界最小ということと、民生部品を使ったということで注目されていただけあって、打ち上げの失敗は残念な思いだ。今後宇宙開発の中で、如何に小さく、如何にコストを安くロケットを製作するかという事は大きな課題になることは間違いないだろう。日本だけでなく世界各国が技術力を競い合うだろう。

 失敗は成功の元。まずはしっかりと原因を究明し、それを次回の開発に活かし、また同様のプロジェクトに取り組んでほしいと願う。今後も日本の宇宙開発に大きな期待を寄せたい。(編集担当:久保田雄城)

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