トランプ米大統領誕生のリスクは低減

2016年10月11日 08:00

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記事提供元:フィスコ


*08:00JST トランプ米大統領誕生のリスクは低減
クリントン民主党候補とトランプ共和党候補の支持率が拮抗していた米大統領選挙だが、ここにきてトランプ候補に女性蔑視発言スキャンダルが飛び出しかなり形勢が傾いたようだ。
 今回の発言は言い訳もしにくい下劣な内容で、トランプ候補もすぐに謝罪したが、共和党の相当数の有力議員からの批判も相次ぎ、共和党内では他の候補者にすべきとの声も高まるなど、支持基盤が大きく揺らいでいる。
 報道された時期も第二回目の討論会の寸前と、トランプ候補にとって最悪のタイミングとなった。
 討論会では、トランプ候補がビル・クリントンのスキャンダルを持ち出すなどして反撃に出たため両者の非難合戦のようになったが、やはりトランプ候補の方がダメージは大きく、今回も勝者はクリントン候補が勝利したとの見方が大勢だ。
 討論会を終えての両者の支持率はまだ出ていないが、おそらく10ポイント近くの明確な差がつくのではなかろうか。
 トランプ候補が大統領になった場合には、保護主義者で日本嫌いとされるため、急激な円高・日本株安リスクが警戒されてきたが、これでひとまずトランプ大統領誕生リスクは相当低減したといえよう。
 とはいえ、ブリグジットの例もあるため、支持率の差が数ポイントにとどまるならクリントン候補が万全とはいえない。嫌われ者対決と言われるだけあって混戦(泥仕合?)は続く。あと1ヶ月弱、事態の推移から目が離せない。《YU》

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