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こだわりの家で暮らす。注文住宅に求められているもの
安倍晋三首相が2016年6月1日、消費税率10%への引き上げ時期を2019年10月まで2年半、延期すると表明したことで、増税前の取得を目指す消費者が増え、住宅市場がにわかに活気づいているようだ。中でも、比較的高額になる注文住宅は2%の差が大きな負担となる。その2%を税金で払うのか、それとも住宅へのこだわりにつかうのか、増税前後で大きく変わってしまう。
国土交通省が7月8日に発表した「平成27年度住宅市場動向調査」によると、注文住宅を取得した世帯の住宅選択の理由は「信頼できる住宅メーカーだったから」が 47.6%で最も 多かった。また、分譲マンション取得世帯では、「住宅の立地環境が良かったか ら」が 61.9%で最も多く、中古戸建住宅、中古マンション取得世帯では「価格/ 家賃が適切だったから」が最も多く、それぞれ 68.8%、71.2%となった。この結果から、注文住宅は、価格優位ではなく、建物(施工会社の安心感)優位であることが推測できる。
では「施工会社の安心感」はどこに感じるのだろうか。会社の知名度や事業の規模は大きな安心感となるだろう。しかし、大手の住宅メーカーだからといって手放しで信頼してしまうのは危険だし、中小だからといって安心できないかといえば、そんなことはない。住宅会社の規模と、住宅の安心感は必ずしも比例するものではないのだ。
注文住宅の場合、顧客のこだわりや嗜好などをどれだけ柔軟に取り入れてくれるかも、大きな信頼につながる。建売ならともかく、注文なのだから、できる限り希望は叶えてほしい欲しいと望むのは当然のことだろう。住宅メーカー側にとっても、顧客の要望にどれだけ応えられるかが、他社との差別化を図り、アピールできる大きなポイントにもなる。
例えば、ダイワハウスのxevoGranWoodは富裕層に向けた平屋暮らしを提案しているが、日常的な生活をワンフロアで完結できる平屋本来の特徴に加え、多彩な空間バリエーションで多様なニーズや要望に対応している。また、パナホームがこの夏に新発売した「artim(アーティム)」は、設計自由度の高い木造に、同社が50余年にわたって培ってきた住まいづくりのノウハウ・技術を結集したプレミアムオーダーハウス。「artim」とは、芸術の「ART」、私自身を表す「I’M」、積み重ねた人生の時間「TIME」を組み合わせた造語で、自分らしさを実現する暮らしを実現するイメージとなっている。また、間取りプランの自由度だけでなく、販売にあたっては、専属のチームを結成し個々のこだわりをサポートするという。
いずれも50代~60代の富裕層をターゲットにしたものだが、その世代はとくに、自宅で過ごす時間が多くなる。こだわり抜いた快適な空間の中で人生の後半を優雅に過ごしたいものだ。(編集担当:松田渡)
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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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