【中国の視点】ECBの大規模な追加緩和決定、「毒酒で乾きを癒す」

2016年3月15日 08:05

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記事提供元:フィスコ


*08:05JST 【中国の視点】ECBの大規模な追加緩和決定、「毒酒で乾きを癒す」
欧州中央銀行(ECB)は10日、大規模な追加緩和を決定した。これを受け、欧州市場が一時上昇する場面を示したが、「追加利下げを実施する必要がない」とのドラギ総裁の発言を受け、この日の株式市場は結局下落した。

ECBの追加緩和決定について、進行する同地域のデフレを食い止めることや低迷する欧州経済を刺激するためだとみられている。

ただ、中国のエコノミストは、ECBが緩和的なスタンスを継続していることについて、毒酒で乾きを癒す行為だと指摘。一連の緩和でユーロ圏の構造問題を先送りするだけで、解決につながることが困難である上、これが大きな後遺症を残すとの見方を示した。

専門家は、マイナス金利の継続が銀行の利ざやを縮小させるほか、金融緩和の出口政策が実施された時に大きなリスクを伴うと警告した。さらに、長期にわたり金融緩和策が継続されれば、構造改革が完成しないままで過剰流動性に陥り、これが景気刺激に逆効果をもたらす可能性があると指摘された。

さらに、追加金融緩和が新たな通貨戦争につながる可能性があるため、ユーロ圏だけでなく、ほかの国・地域の経済成長の不安定性をもたらすと強調された。《ZN》

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