【どう見るこの相場】日経平均の行方

2016年2月1日 09:02

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

日銀が初となるマイナス金利政策を発表した。心理的効果が大きかったことで日経平均は下げ相場から一転して急反発に転じた。

日銀が初となるマイナス金利政策を発表した。心理的効果が大きかったことで日経平均は下げ相場から一転して急反発に転じた。[写真拡大]

■マイナス金利の効果は不透明、賞味期限は1カ月ていどか、数量株の1カイ・2ヤリの可能性も

 日銀が初となるマイナス金利政策を発表した。心理的効果が大きかったことで日経平均は下げ相場から一転して急反発に転じた。年初からの大幅安、重要閣僚辞任という暗い相場環境だっただけに、「世直し」ということではグッドタイミングだったといえる。今後の展開はどうなるのか。

<Q>日銀がマイナス金利を発表したが、甘利大臣辞任のタイミングと関係はあるのか。

<A>それはないだろう。重要閣僚の辞任で、不安定だった株式市場がさらに不安定となる可能性があっただけに、マイナス金利策発表で日経平均が急伸したことから結果としてはグッドタイミングだったといえる。

<Q>マイナス金利は、経験したことがないので、ピンと来ない。われわれの預金もマイナスとなるのか。

<A>それはない。もしも、個人の預金をマイナス金利としたら、預金者は一斉に預金解約に走るから一大金融パニックとなってしまう。今回は、あくまで銀行が日銀に預けている当座預金についてのことだ。現在、当座預金残高は250兆円規模といわれるが、このうちの一部預金についてマイナス0.1%の金利、つまり、預かり料を取られる。

<Q>効果はあるのか。

<A>話を分かりやすくするために乱暴ではあるが、仮に、当座預金250兆円すべてとして計算すると、これまで0.1%の利息分2500億円が銀行界に渡っていたが、マイナス0.1%金利では、逆に、2500億円を銀行側が日銀へ支払わなくてはいけない。当然、銀行経営には収入減となる。ただ、250兆円全てではないから銀行にとってそれほど問題にはならないだろう。マーケットでは、当座預金に行かなくなる資金(金額は不明)が、どこに向うかを注目している。企業の設備投資資金、個人の住宅資金などに向えば景気上向きに繋がるし、株式マーケットに向かえば株高による消費への効果が期待される。

<Q>銀行は株を買うだろうか。

<A>中長期で本腰を入れて買うかどうか、分からないし疑問もある。アベノミクスに中折れ感が出ており、先行きに不透明感があるからだ。しかも、これまでアバノミクス買い相場で、外国人投資家、投信、年金などが大量に買っており、ここで本腰を入れて買うと先発組の保有株を肩代わりすることにもなりかねない。銀行が株買いに出るとしても債券のディーリングのように株式の短期売買となる可能性はあるのではないか。その場合は、数量株の1カイ2ヤリの展開が予想されそうだ。

<Q>マイナス金利の相場への賞味期限はどのていどか。賞味期限のあとはどうか。

<A>2013年4月と2014年の2度の量的金融緩和のときは、日経平均は、短期的には、ほぼ1カ月後に頭を打って調整し、調整後に再上昇して緩和策実施6カ月後に大きい天井となっている。今回のマイナス金利で日経平均が1カ月もつかどうかは分らない。ただ、短命効果だった場合は、さらに、量的金融緩和が実施される可能性はありそうだ。現在、国債等を年間80兆円規模で買い上げる策となっているが、年100兆円規模となる可能性はありそうだ。量的緩和が今、出れば6カ月後の7~8月までは日経平均は上昇という絵が描けるだろう。ともかく、去る、1月21日の安値で日経平均は少なくとも今年前半の底になった加工性はあるだろう。売方は、空売りでの深追いは避けるところで、買方は好業績・高利回り銘柄中心に押し目買いスタンスでよいだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。

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