【株式評論家の視点】テラはがん治療の樹状細胞ワクチンの契約医療機関38カ所、累計症例は9800に達する

2016年1月21日 09:49

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

 テラ<2191>(JQS)は、がん免疫療法の一つである樹状細胞ワクチン療法の研究開発を行い、独自に改良を重ねたがん治療技術・ノウハウの提供を契約医療機関に行っているほか、全国の医療機関に対する営業開拓、セミナー等を通じた患者に対する情報提供、学会等での発表を中心とした学術活動、大学・研究機関等に対する細胞加工施設の運営受託・保守管理サービス、細胞培養関連装置等の販売、CRO事業、少額短期保険事業並びに医薬品事業等を行っている。

昨年10月に、がんをはじめとする疾病の早期診断・早期予防等を実現する独自の技術プラットフォームを開発するKarydo TherapeutiX株式会社に資本参加をし、早期診断・早期予防関連事業に参入している。

 細胞医療事業において、同社独自の樹状細胞ワクチン療法を中心としたがん治療技術・ノウハウの提供を契約医療機関に行っているが、昨年9月に医療法人社団 愛友会 上尾中央総合病院と連携契約を締結した結果、同社の契約医療機関は全国で38か所となっている。7月~9月の契約医療機関における樹状細胞ワクチン療法の症例数は約280症例となり、同社設立以降の累計で約9800症例となっている。

 前2015年12月期・第3四半期実績は、売上高が14億7900万円(前年同期比3.0%増)、営業損益が4億0600万円の赤字(同1億9700万円の赤字)、経常損益が4億2900万円の赤字(同2億2700万円の赤字)、最終損益が4億4900万円の赤字(同2億0700万円の赤字)に着地。

 通期業績予想は、売上高が19億4500万円(前期比4.3%増)、営業損益が6億8100万円の赤字(同2億9300万円の赤字)、経常損益が7億1100万円の赤字(同3億3000万円の赤字)、最終損益が7億2600万円の赤字(同4億0200万円の赤字)を見込んでいる。

 株価は、昨年1月13日につけた昨年来の高値1877円から本年1月20日に626円と調整し、昨年8月25日につけた昨年来の安値631円を更新している。同社の契約医療機関である公立大学法人福島県立医科大学において、「WT1ペプチドを用いた樹状細胞ワクチン療法」を胃がん、食道がん、肺がんを対象に先進医療として治療を開始。学校法人慈恵大学 東京慈恵会医科大学悪性腫瘍治療研究部と共同研究契約を締結し、医薬品等を汚染するエンドトキシン等の発熱性物質の検出法を開発するためのヒトiPS細胞由来の樹状細胞の樹立に関する研究開発開始など期待材料を内包しいる。同社はがん治療技術やノウハウ等の研究開発・医療支援サービスに関わる費用が収益に先行して発生する等の理由から継続的に営業損失が発生しているため、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況は存在しているが、中長期的な視点でここから大きく下押す場面があれば、買い妙味が膨らみそうだ。(株式評論家・信濃川)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。

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