豪ドル・円:8月急落前の水準=90円レベルを目指した反発へ

2015年11月20日 18:32

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記事提供元:フィスコ


*18:32JST 豪ドル・円:8月急落前の水準=90円レベルを目指した反発へ
~フィスコFXテクニカル分析(フィボナッチ)~

フィスコの田代昌之です。今日は、フィボナッチで豪ドルを見てみましょう。(最後にファンダメンタルズも見てみます。)

メインターゲット:90.00
サブターゲット: 87.00円(10/9日の85.20円から引き上げ)

■テクニカル(フィボナッチ):8月急落前の水準=90円レベルを目指した反発へ

豪ドルはさほど強い動きは感じられませんが、しっかりとした推移は確認できます。

足元、10月12日の88円60銭台レベルの突破を試す展開となっています。この水準は8月の急落以降の戻り高値ですので注目のラインと言えます。この節目を上抜けると、心理的なメドでもある90円が意識されるでしょう。

8月11日の高値92円60銭台から8月24日および9月7日の安値82円レベルの下落幅10円40銭に対する61.8%戻し(フィボナッチ比率)(※)の水準である88円40銭台を既にクリアしていることから、90円まで目立ったテクニカルラインは見当たりません。

また、8月の急落は非常に早かったことで当時この水準で売買した投資家は非常に少ないはずです。つまり戻り待ちの売り(ある程度戻ったら利益確定する動き)は入りにくいと考えます。10月戻り高値を更新すると90円台回復は以外に早いかもしれません。

したがって、メインターゲットは10月9日に設定した90円のままです。<

一方、サブターゲットは87円00銭と10月9日の85円20銭から引上げます。

サブターゲットの水準は25日移動平均線が位置しています。仮に下がってもこの水準で下げ止まると考えています。


(※)フィボナッチとは、フィボナッチ数列の比率を用いるテクニカル分析です。上昇もしくは下落しているマーケットが、反転した場合の価格水準を推定するために使用されます。

13世紀のイタリアの数学者レオナルド・フィボナッチが考えたもので「1、1、2、3、5、8、13、21、34、55、89、144・・・・(以下省略)」と続いていき、以下のような性質があります。

・より大きい右側の数値で割ると0.618に近づいていく
・0.382を掛けると左側へ2つ小さくなった数に近い数値となる
・より大きい3つ右側の数値で割ると0.236に近づいていく

この0.618という数値は「黄金比」にも近いと言えます。「黄金比」とは、1:1.618の比率のことで、人間が最も美しく感じる比率とされています。名刺の縦横比率はもちろん、ミロのビーナス、ピラミッド、パルテノン神殿といった歴史的な建造物の各種比率に用いられています。


■ファンダメンタルズ:強い雇用情勢を受けて利下げ観測は後退

12日に発表されました10月の新規雇用者数は予想の1万5000人に対して5万8600人と大幅に上振れる内容となりました。同時に発表された失業率は予想6.2%に対して5.9%と前月から0.3ポイントの大幅な減少。強い雇用情勢が確認されたことで足元くすぶっていました利下げ観測は後退しています。

供給過剰や中国景気減速懸念などから原油価格は低迷しています。原油価格低迷のなか資源国通貨と見られている豪ドルがしっかりとした動きを示している背景には、この利下げ観測の後退があるわけです。

(毎週更新、じぶん銀行週間テクニカル分析レポートより)《TT》

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