米フォード・モーター、マツダ社全株売却終了。36年間の資本提携に幕引き

2015年11月16日 12:39

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記事提供元:エコノミックニュース

1979年にフォードの出資を受け入れ、同社傘下に入っていたマツダの提携、完全解消となった

1979年にフォードの出資を受け入れ、同社傘下に入っていたマツダの提携、完全解消となった[写真拡大]

 マツダと米フォード・モーターの資本提携関係が36年を経て解消した。フォードは2008年の金融危機・リーマンショックを機に、マツダ株の売却を段階的に進めてきたが、ことし4~9月に残っていた2.1%の持株をすべて売却した。マツダは石油危機などで経営不振に陥っていた1979年にフォードの出資を受け入れ、同社傘下に入っていた。

 ただし、提携関係解消後もタイでのピックアップトラックの合弁事業や、台湾や南アフリカでの生産委託、中国・長安汽車と3社で運営する中国エンジン工場などの協業は続ける。マツダは「双方がメリットを得られる分野で、今後も提携関係を継続する」とのコメントを出した。

 マツダは、はじめにフォードから25%の出資を受け入れた。前述したように1979年のことだ。その出資比率は1996年のピーク時に33.4%にまで上昇、その年に初めてフォード出身のヘンリー・ウォレス氏がマツダ社長に就任。2003年まで4代続けてフォード社出身者が社長に就くなど、緊密な関係が続いていた。

 2008年の金融危機の影響でフォードは自社の経営が悪化。傘下にあったアストン・マーティンやジャガー、ランドローバーやボルボなどのハイクオリティブランドを相次いで売却。マツダ株も徐々に売却し、出資比率13%にまで下げていた。その後、2010年には出資比率3.5%にまで下がっていた。

 2012年には米現地におけるマツダ車合弁生産をやめ、業務上の提携関係も薄れていた。その後、マツダの増資もありフォードの出資比率は、前述の2.1%にまで下がっていた。

 マツダは、主要市場の欧米での好調な販売が業績を牽引、円安による採算改善も寄与している。日本でも新車投入が奏功し販売が増え、クロスオーバーSUV「CX-5」、「CX-3」、アクセラなどを中心に新車販売が好調に推移。また、世界的に同社クリーンディーゼルエンジン搭載車が高評価を得ている。

 マツダの2016年3月期決算見通しでは、売上高の予想は11%増の3兆3700億円と、従来予想の7%増の3兆2500億円から1200億円引き上げた。純利益は法人税の増加などが響いて12%減の1400億円としていた従来予想を150億円引き上げる。営業利益も過去最高としていた4%増の2100億円をさらに200億円引き上げ、13%増の2300億円と最高益更新を見込むなど、業績が急回復している。

 かつて後ろ盾となっていたフォードとの今回の提携完全解消は、マツダ復活の象徴といえそうだ。(編集担当:吉田恒)

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