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中国:宅配業を20年に15兆円規模へ、国務院がガイドライン公布
*15:13JST 中国:宅配業を20年に15兆円規模へ、国務院がガイドライン公布
Eコマースが経済成長を支える新たなエンジンとなりつつある点を踏まえ、中国政
府は宅配便サービス事業の育成・発展を国策的に支援する。国務院は26日、「宅配業
の発展促進に関するガイドライン」を公布。2020年までに農村市場を網羅する全国的
な配送ネットワークを完備する方針を明らかにした。宅配便サービスの年間業務量を
500億件、業界売上高を8000億人民元(約15兆1000億円)に引き上げる数値目標を掲
げている。
「宅配業」に的を絞った政策ガイドラインの発表は初めてとなる。同ガイドライ
ンでは、宅配業者の空輸能力を大幅に引き上げるなどして、国内重点都市間で商品発
送から到着までの配達時間を48時間以内に短縮化するよう求めた。海外配送サービス
についても、サービスエリアの拡大、配達スピードの向上を要求する。
これらの目標を実現させるための具体的施策として、◆審査の簡素化、◆市場環
境の整備、◆法律体系の整備、◆政策支援の強化、◆配達車両管理体制の見直し、◆
配達員の育成——の6項目を列挙した。そのうち車両管理に関しては、配達用車両と
して認める国家基準の制定に着手する旨を明示。また、配達車両の通行や停車を優先
させるような車両管理ルールの整備を地方政府に対して求めた。さらに、宅配サービ
ス用電気三輪車の普及を推進する立場を明記。車両の安全基準を定めた上で、関連車
両の生産、使用に関する管理ルールを早期に制定する方針を打ち出した。
ガイドラインではこのほか、宅配事業者によるM&A(合併・買収)や上場を支援す
る方針も掲げられている。各種資本を呼び込む。国際競争力を備えた企業グループを
形成させ、宅配業の海外進出を後押しする構えだ。
中国の宅配市場は、急ピッチに拡大。2015年の宅配物取扱件数は200億件に到達
し、2010年比で9倍の規模に膨らむと見込まれている。
【亜州IR】《ZN》
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