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【ロート製薬 4~6月期決算】国内回復に加えグローバルな増収効果により大幅増収増益
■2ケタ増収、3ケタ最終増益の好決算
8月6日、ロート製薬<4527>が2016年3月期第1四半期(4~6月期)決算を発表した。売上高は354.2億円で18.0%増、営業利益は18.5億円で166.1%増(約2.6倍)、経常利益は21.5億円で94.9%増(約1.9倍)、四半期純利益は13.2億円で104.7%増(約2倍)。前年同期が消費増税の直後で、その影響を受けて減益だった反動もあり、2ケタ増収、3ケタ最終増益の好決算になった。
通期業績見通しは、売上高は8.1%増の1640億円、営業利益は4.1%増の137億円、経常利益はほぼ増減なしの141億円、当期純利益は2.0%増の88億円で修正はなかった。中間期10円、期末10円で年間20円という配当予想も据え置いている。
■世界の全地域で増収し、円安効果も寄与
4~6月期の売上高は、国内では消費増税の影響が1年を経過して一巡したこと、海外ではヨーロッパ、アジアを中心として増収になり、それに円安効果が加わって全体で2ケタの増収になった。その増収効果が研究開発など新規分野への先行投資負担をカバーして、増益幅も大きく拡大している。
地域別では全地域で増収になった。前年同期比で日本国内では13.8%の増収、営業利益は12.2億円の黒字(前年同期は2.2億円の赤字)。爽快系目薬「ロートジー」、機能性化粧品「オバジ」、男性用デオドラントブランド「デ・オウ」などが好調で、主力の「肌研(ハダラボ)」シリーズも堅調。一部の商品で訪日外国人のインバウンド需要も出ていた。大幅増収の効果が研究開発費などのコスト増をカバーし、四半期の営業損益は黒字化した。
アメリカでは10.1%の増収、営業損益は6.5億円の赤字(前年同期は2.3億円の赤字)。目薬の新製品が好調でキューブ型容器の「ソフトリップキューブ」も順調。円安効果も出て増収になったが、新製品の投入、競争の激化に対応するための広告宣伝費、販売促進費でコスト増があったため、営業損益は赤字幅をひろげたが、会社計画どおりだという
ヨーロッパでは67.6%の増収、営業利益は約2倍の108.7%増。消炎鎮痛剤「ディープヒート」が堅調で、前期に買収したダクス・コスメティクスも増収に寄与した。増収効果と原価率の低下、広告宣伝費の減少で営業利益は約2倍に増加した。
アジアでは22.4%の増収、営業利益は7.7%増。アジアでも特に中国で積極的に展開している「肌研(ハダラボ)」、日やけ止めの「サンプレイ」などのスキンケア関連商品が堅調で、目薬も増収に寄与している。増収効果が広告宣伝費や販売促進費の増加をカバーして営業増益を果たした。
4~6月期実績の通期業績見通しに対する進捗率は、売上高は21.6%、営業利益は13.5%、経常利益は15.2%、当期純利益は15.0%。会社側は通期見通しの修正は行っていない。
国内では6月24日に、同社初の機能性表示食品として、視力の衰えの原因と指摘される成分を補給し「見る力」をサポートする目のサプリメント「ロートV5粒」を新たに発売している。新製品投入効果も含め、夏から秋にかけての利益の伸びに期待している。(編集担当:寺尾淳)
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