【中国の視点】地方の不動産市場:低迷は継続、暴落のうわさも

2015年7月21日 08:15

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記事提供元:フィスコ


*08:17JST 【中国の視点】地方の不動産市場:低迷は継続、暴落のうわさも
中国の不動産市場が回復傾向を維持している。統計局の発表によると、主要70都市のうち、6月に上昇したのは前月の20都市から27都市に拡大した。

ただ、地方都市の下落は継続している。蘭州市(甘粛省)、宜昌市(湖北省)、襄陽市(湖北省)、恵州市(広東省)がともに0.4%下落。中でも無計画な不動産開発を継続した中小都市の不動産市場の低迷は続き、一部では暴落のうわさも囁かれている。

中国メディアがまとめた最も暴落しやすい都市では、空き家率が最も高い常州市(江蘇省)、産業が衰退した平遥市(山西省)、辺鄙で居住者が集まらない十堰市(湖北省)、人口の増加が停滞する鉄レイ市(遼寧省)、労働集約型の発展方式に行き詰まっている温州市(浙江省)、中国のデトロイトといわれている長春市(吉林省)、単一産業で景気停滞が深刻な状況に陥っている景徳鎮(江西省)、鉱産資源が枯渇する東川市(雲南省)や黄石市(湖北省)、無計画な石油開発で環境破壊が深刻な玉門市(甘粛省)、不動産バブルが深刻な海口市(海南省)、石炭価格の急落で景気失速する神木市(陝北省)やオルドス市(内モンゴル自治区)、デベロッパーの資金繰りが悪化している東莞市(広東省)の14都市が挙げられている。

専門家は、上記の14都市について、無計画な開発のほか、産業転換に失敗していることや、人口の伸び鈍化などが主因だと分析。また、これら都市の不動産価格が暴落した場合、ほかの都市にも悪影響を及ぼすため、慎重に対応する必要があると警告した。《ZN》

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