【中国の視点】ラガルドIMF専務理事:人民元のSDR採用は時間の問題、AIIBを支持

2015年4月1日 08:01

印刷

記事提供元:フィスコ


*08:03JST 【中国の視点】ラガルドIMF専務理事:人民元のSDR採用は時間の問題、AIIBを支持
国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事は今月22日、北京で開催した「中国発展高層論壇(中国発展ハイレベルフォーラム)」の席上で、国際通貨基金(IMF)の特別引き出し権(SDR)に人民元を組み入れることが時間の問題だと発言。中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)を支持する姿勢を示した。

また、3月31日まで中国を訪問したジェイコブ・ルー財務長官も30日、これまでの姿勢を一変し、米国の同盟国を含む多くの国々がAIIBへの参加に反対しないと発言。AIIBの創設規則やガバナンス構造などを研究したい意向を示した。ラガルド専務理事と同様に、アジアのインフラ整備に協力する姿勢を示した。

AIIBは中国の「一帯一路(シルクロード経済ベルト、21世紀海上シルクロード)」構想の実現に重要な役割を果たすと指摘されている。中国は400億米ドルを拠出し、「一帯一路ファンド」を設立した。ただ、これだけでは足りないため、AIIBはアジアのインフラ整備の資金供給という役割を担うと同時に、一帯一路計画にも資金を供給するとみられている。

また、中国政府は一帯一路の沿線国家に対し、通貨スワップ協定への支持を求めていると報じられた。これら国々での貿易決済は人民元が使われる可能性が高いとみられ、人民元の国際化推進や人民元の使用頻度を高めることにつながる見通しだ。

なお、前回のSDR構成貨幣の調整は2010-11年に行われた。今年は5年に1度の調整が実施される予定だ。多くのIMF委員会のメンバーは前回、人民元が国際貿易決済に使われる頻度が低いと認識し、人民元のSDR構成貨幣の組み入れを先送りした。《ZN》

関連記事