【中国の視点】ギリシャ:中国に援助を求める可能性、港湾売却計画を再開

2015年3月31日 08:09

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記事提供元:フィスコ


*08:11JST 【中国の視点】ギリシャ:中国に援助を求める可能性、港湾売却計画を再開
ギリシャのドラガサキス副首相とコジアス外相は今月25-28日、中国を訪問した。ギリシャ政府は、外相らの訪中について、両国間の貿易・投資を促進するためだと説明した。

一方、国内外メディアは、コジアス外相らの訪中について、中国に緊急援助を求める可能性が高いとみている。ギリシャは今月末までに約17億ユーロ(約2210億円)に上る公務員の給与や年金などを支払う必要があるほか、国際通貨基金(IMF)からの融資(4億5000万ユーロ)の返済期限は4月9日に迫っているためだ。

コジアス外相は中国の王毅外相と会見した際、中国がギリシャを支援し続けていることについて、ギリシャの国民が永遠に忘れることがないと発言。同国最大の港湾ピレウス港における中国との提携を強化することを強調し、欧州と中国を結ぶ陸と海の通路建設に協力する姿勢を示した。

また、一部メディアは30日、ギリシャの政府関係者が一時中止したピレウス港の売却計画を再開する計画で、すでにギリシャの債権者に通告したと報じた。同港湾の売却で最低5億ユーロ以上の資金を確保できるとみられている。

売却先の候補者について、中国の国営企業・遠洋運輸集団(COSCO)やデンマークの海運大手モラー・マースクの子会社APMターミナルズ、米港湾運営大手Ports America、フィリピンの港湾大手International Container Terminal Servicesが名を挙げられている。ただ、COSCOはすでにピレウス港で2つのコンテナ・ターミナルを運営しており、COSCOはやや有利だと分析されている。このほか、ギリシャは14カ所の空港の民営化を検討しているとも報じられた。《ZN》

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