地球型惑星はやはり太陽と同程度の恒星の周りにできやすい 東工大がシミュレーション

2015年2月19日 16:22

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地球質量程度の惑星の含水量を軌道半径の関数としてプロットしたもの。中心星が前主系列段階に入ってから(そのときに惑星形成も始まったとした)9000万年後の時点の惑星のデータ。一点一点が惑星一個一個を示し、1000個の恒星で作られた惑星を重ねてある。a-c(左列)はそれぞれ、中心星質量が太陽の0.3倍(上段)、0.5倍(中段)、1倍(下段)の場合の結果。d-f(右列)は中心星の明るさの変化と水の蒸発の効果を入れた結果。主系列に入ったときのハビタブル・ゾーンを青緑の影で示してある(東京工業大学の発表資料より)

地球質量程度の惑星の含水量を軌道半径の関数としてプロットしたもの。中心星が前主系列段階に入ってから(そのときに惑星形成も始まったとした)9000万年後の時点の惑星のデータ。一点一点が惑星一個一個を示し、1000個の恒星で作られた惑星を重ねてある。a-c(左列)はそれぞれ、中心星質量が太陽の0.3倍(上段)、0.5倍(中段)、1倍(下段)の場合の結果。d-f(右列)は中心星の明るさの変化と水の蒸発の効果を入れた結果。主系列に入ったときのハビタブル・ゾーンを青緑の影で示してある(東京工業大学の発表資料より)[写真拡大]

 東京工業大学の井田茂教授らによる研究グループはシミュレーションによって、地球のような惑星は太陽くらいの質量の恒星の周り多く存在しそうだということを明らかにした。

 生命が住める惑星は、液体の水が表面に存在するのに温度が高過ぎず低過ぎない軌道にあることが重要で、これまでは太陽質量の半分以下の質量のM型矮星と呼ばれる恒星の周りにできやすいと考えられてきた。

 今回の研究では、太陽質量を変えながら恒星1,000個に対してシミュレーションを行った。その結果、太陽の0.3倍の恒星の周りでは地球と同じような含水量の惑星は1個、太陽質量の半分の恒星の場合は12個、太陽質量の恒星の場合は271個作られることが分かった。つまり、太陽質量の恒星に比べて、小質量の恒星の周りでは生命が住める惑星が作られる可能性は極めて少ないと言える。

 今後は、惑星内部にどれくらいの水が取り込まれ得るのか、どれくらいの量が後から表面に出て来るのかということも調べていくことが期待されている。

 なお、この内容は「Nature Geoscience」に掲載された。

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