ファイザー、国内初の先発抗うつ薬OD錠「ジェイゾロフト」を発売

　ファイザーは12日、同日付で薬価基準に収載された「ジェイゾロフトOD錠25mg/50mg/100mg」(一般名「塩酸セルトラリン」)を15日より発売すると発表した。

「ジェイゾロフト」は、うつ病・うつ状態、パニック障害の適応を有する選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)である。普通錠として2006年に発売され、うつ病、パニック障害の治療における標準的な治療薬として医療現場で広く処方されている。今回承認されたOD錠(口腔内崩壊錠)は、先発医薬品の抗うつ薬として国内初のOD錠となり、硬さ、溶けやすさ、苦みを封じ、飲みやすさを備えた進化系のOD錠とされる。

　うつ病患者の治療ゴールである寛解には服薬の継続が重要といわれている一方で、日々の服用を忘れてしまうことも多いといわれている。その点、「ジェイゾロフトOD錠」は水なし、または少量の水での服用も可能であるため、どんな時でも“服用しやすい”抗うつ薬として、患者自身が積極的に治療を行おうとする、服薬アドヒアランスの向上に貢献できる薬剤と期待される。

　ファイザーは、今後も特許の切れた自社の長期収載品と後発医薬品(ジェネリック)の区別なく、“大切に、長く使われていく標準的な治療薬”をエスタブリッシュ医薬品として同等に取り扱っていくとしている。（記事：宮野 浩・記事一覧を見る）