【村山貢司の気象&経済歳時記】日本の資金供与でインドの電力供給に明るさ、一方の日本は課題山積

2014年9月1日 16:07

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

  日本はインドに対して新たな石炭火力発電所建設のための資金供与を決めた。インドでは経済発展に伴う電力需要の増加に供給が追いつかず、深刻な電力不足が懸念されている。

  資金供与と言っても、日本製の最新技術の発電設備が輸出されるわけで、インドにとっても日本にとってもメリットのある合意である。また、日本からインドに進出する企業もエネルギー事情の悪さに二の足を踏んでいたが、これで日印の経済交流はさらに活発化するであろう。

  日本国内でも、この夏は猛暑による電力不足が心配されていたが、8月の不順な天候で何とか乗り切ることができた。しかし、電力供給がぎりぎりの状態であることは変わっていない。2013年度の電力はおよそ90%が火力に依存しており、そのために2つの大きな問題がある。

  1つは、発電費用に占める燃料費の増大である。震災前に2010年度の天然ガス、石炭、石油などのいわゆる化石燃料の費用はおよそ3.6兆円であったが、2013年度は7.7兆円と倍増している。これが電力料金の引き上げにつながり、国内企業の足かせになっている。

  もう1つの問題は、火力発電所の老朽化である。建設から40年を超える老朽化した火力発電所は、2010年度は53ヶ所であったが、2013年には95ヶ所になり、トラブルも101件から169件に急増している。原子力発電所の再稼動の是非は別にしても、日本が急いでやらなければならないのは、古い火力発電所を熱効率の高い最新鋭のものに建て替えることであろう。(気象予報士・経済評論家)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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