蘇る日銀の追加緩和観測

2014年8月18日 08:01

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記事提供元:フィスコ


*08:03JST 蘇る日銀の追加緩和観測
今年に入ってから黒田日銀総裁は一貫して日銀の物価目標に対して自信を示し、追加の金融緩和策の導入を見送ってきた。黒田総裁が示し続ける自信満々の態度を受けて、市場の早期追加緩和観測は一気にしぼみ、年内の追加緩和はないという見方が大勢となっていた。しかし、先日発表された4-6月期の国内総生産(GDP)は年率換算で前期比6.8%減と大幅に落ち込んだ。これは東日本大震災後の落ち込みとほぼ同程度の落ち込みだ。予想された消費税増税による駆け込み需要の反動が出た面が大きいが、足元の輸出や消費の足取りもおぼつかない。ウクライナ情勢を受けて減速しつつある欧州経済など海外の景気回復にも黄色信号が出ている。このまま行くと、消費税増税の判断にあたって重要な材料となる7-9月期のGDPがV字回復するとは到底思えない。
 政府は7-9月期のGDPがV字回復することを見込んで消費税増税を目論んでいるが、このまま政府・日銀が何もしなければ、消費税増税断念に追い込まれる確率が高まってきた。 また、日銀は今年に入って14年度の実質成長率見通しを3回下方修正してきたが、10月日に新たに策定する展望リポートで4回目の下方修正をせざるをえなくなる可能性がでてきた。4回目の下方修正をして14年の実質成長率見通しが1.0%未満になれば、15年半ばに2.0%に達するという日銀の物価目標達成の見通しは極めて疑わしいものになる。足元の物価も期待インフレ率もすでに弱含んでいるように見える。 消費税10%への増税は財政再建のために政府・財務省・日銀がそろってなんとしても実現したいと考えている施策である。 上記の情勢から日銀の追加緩和観測が再度盛り上がってくるのは必至となった。消費税増税の判断が7-9月期のGDPの数値にかかっていることを考えると、10月の追加緩和では遅いという声も高まってくるだろう。《YU》

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