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「エルニーニョ現象」の逆風を追い風とウラ読みすると激甚災害関連株に先回り買い妙味=浅妻昭治
<マーケットセンサー>
またまた逆風が吹きそうである。折角、日経平均株価が、前週末に2日連続で大幅に上昇して25日移動平均線を上回り、下値不安が和らぐと投資家マインドが好転したのに、「好事、摩多し」というところだ。逆風は、前週末23日に気象庁が、発表した「3か月予報(6月~8月)」で、今夏に2009年以来5年ぶりに「エルニーニョ現象」が発生して、北日本を中心に気温が平年を下回り、冷夏になり、降水量も平年を上回る可能性があると観測したことにある。
夏は暑ければ暑いほど季節商品の売れ行きが高まるが、冷夏ともなれば、日照不足も災いして農産物が不作となって野菜価格が高騰するなどと逆風となり、夏物商品のクールビズなどの衣料品やエアコン、扇風機の家電商品、ビールなどの盛夏商品などは軒並み販売不振となる。テレビニュースなどで、ビアガーデンで閑古鳥が鳴くシーンなどが大写しされることにでもなれば、消費者マインドを一気に萎縮させる冷や水になる。この夏場は、消費税増税前の駆け込み需要の反動減が折角、一巡して景気の持ち直し期待の高まる頃合いで、景気の揺り返しが起こらないとも限らない。夏相場は、消費者マインドと投資家マインドの鬩ぎ合いで、再度、相場の方向性が不透明化する展開も想定して置かなくてはならなくなる。
しかしである。株式市場には「オモテ」があれば「ウラ」もあり、「暗」が極まれば「明」がそれだけ際立ち、「売り」もあれば「買い」もあり、「逆風」が「追い風」に転じる双方向特性を持つのも事実である。いきなり「エルニーニョ現象」の逆風シナリオを並び立てて置いて、手のウラを返すように追い風シナリオに言及するのは「マッチ・ポンプ」的で恐縮だが、逆風シナリオの「ウラ」、「明」は、2009年に発生した前回の「エルニーニョ現象」を振り返れば歴然とする。この年の7月には中国・九州北部豪雨による土石流で30人以上の死者が発生し、8月には台風9号が兵庫県に、10月には台風18号により新潟県、三重県、大阪府、奈良県などに広域にわたって深刻な被害をもたらした。
この激甚災害による人的・経済的な損失が、「オモテ」、「暗」とすれば、被害に遭った関係者には申訳ないが、「ウラ」、「明」は、この災害の防災工事・復旧工事関連の追い風需要ということになる。関東甲信越地方は、梅雨入りが平年ならば6月8日ごろとなっている。「エルニーニョ現象」、冷夏予報に備えてこの激甚災害関連株にあらかじめ先回り買いを入れておくのも、あるいは「逆風」が「追い風」に一変する双方向相場への有効な対処方法となるかもしれないのである。(執筆者:浅妻昭治 株式評論家・日本インタビュ新聞 編集長)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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