テラ:「Cancer Immunology,Immunotherapy」にて発表

2014年5月13日 07:26

印刷

記事提供元:日本インタビュ新聞社

■切除不能な進行膵がんに対する樹状細胞ワクチン「バクセル(R)」の有用性を確認

 テラ<2191>(JQS)が提供する独自技術である樹状細胞ワクチン「バクセル(R)(Vaccell)」について、切除不能な局所進行膵がんに対する「バクセル(R)」の有用性と予後因子の検討に関する論文が、がんの免疫分野における専門学術誌である「Cancer Immunology, Immunotherapy(CII)」電子版(Cancer Immunology, Immunotherapy. 29 April 2014)に掲載された。

 膵がんは難治性がんの一つで、極めて予後不良な疾患。外科的切除は膵がんにおいて治癒する可能性がある唯一の方法だが、手術が受けられる膵がん患者は全体のわずか5%から25%と限られている。また、切除不能な進行膵がんでは、抗がん剤治療等が標準治療として位置付けられている。塩酸ゲムシタビンとS-1が主な選択肢であり、日本及び台湾で実施された第III相臨床試験においてこれら2つの抗がん剤を使用した際の生存期間中央値(Median Survival Time、以下「MST」)は、10.1ヶ月と報告されている。最近ではFOLFIRINOX療法が承認され塩酸ゲムシタビンより生存期間を有意に延長することが明らかにされているが、比較的副作用が強いことから、特定のがん専門病院での慎重な実施に限定されている。このように、切除不能な膵がんには有効な治療選択肢が少ないため、副作用が少ない新たな治療法が求められている。

 今回の研究は、切除不能な進行膵がんに対して、抗がん剤治療にWT1ペプチド及びMUC1(がん抗原)を用いた樹状細胞ワクチン「バクセル(R)」の有用性と安全性を多施設で検証し、生存期間延長に関係する因子の特定を目的として、信州大学医学部附属病院(本治療を先進医療として実施中)、長崎大学病院、札幌北楡病院、並びにテラの契約医療機関である医療法人社団医創会セレンクリニックグループ(東京・名古屋・神戸・福岡)における膵がん255症例を後向きに解析した結果が報告されている。全例に抗がん剤投与が併用され、さらに前化学療法を受けた後に樹状細胞ワクチンが併用されている症例が約95%(当初からの化学療法と併用:5%)と、比較的均一な患者集団における解析となっている。

 255症例における、膵がんと診断された日と樹状細胞ワクチンの初回投与からのMSTは、それぞれ16.5ヶ月と9.9ヶ月であった。生存期間への関与因子をCox比例ハザードモデルにより多変量解析したところ、樹状細胞ワクチン投与部位の発赤反応陽性(直径3cm以上と定義)が、生存期間延長に関与する独立因子であった。加えて、ピアソンのカイ二乗検定から、この樹状細胞ワクチン投与部位の発赤反応は、(1)樹状細胞ワクチン投与後の発熱、(2)樹状細胞ワクチン投与前のアルブミン値(≧3.5g/dL)、(3)PNI(Prognostic Nutritional Index)(≧40)等が従属因子であるという結果が得られた。これらは、良好な栄養状態を維持すること等が重要であることを示唆している。

 さらに今回の解析で最も重要な所見は、いわゆるワクチン投与部位の発赤反応陽性症例のカプランマイヤーカーブ(生存曲線)が、ワクチン開始後約10ヶ月頃から生存が延びてくるという特徴的な「delayed separation pattern」を示したことである。この生存曲線における「delayed separation pattern」は米国の食品医薬品局(FDA)発行のドラフトガイドライン「Guidance for Industry-Clinical Considerations for Therapeutic Cancer Vaccines(2011年10月発行)」において、がんワクチンが有効性を示す際の典型的なパターンであるとされており、少なくともこの患者集団においてはワクチンが明確な効果を示していることが示唆されている。

 今回の研究は、WT1ペプチド及びMUC1を用いた樹状細胞ワクチン「バクセル(R)」が安全に施行でき、切除不能な進行膵がんの患者の全生存期間の延長に寄与する可能性があることを報告している。今回の研究により明らかとなった生存期間延長に関与する因子は、テラの成長戦略の柱の一つである樹状細胞ワクチン「バクセル(R)」の薬事承認取得に向けた取り組みにおける重要なデータであると言える。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

【関連記事・情報】
【編集長の視点】サイバダインはエジソン賞金賞受賞を見直し直近IPO株人気が再燃し急反発(2014/05/08)
【じっくり投資コーナー】日本バイリーンは好材料を内包、物色の矛先が向かう可能性あり(2014/05/08)
【木村隆のマーケット&銘柄観察】システム情報はNTTデータの受注増受けた好環境に注目(2014/05/08)
【編集長の視点】エスクローAJはもみ合いも今期業績の減益転換を織り込み成長戦略に見直し余地(2014/05/08)

※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。

関連記事